ラグビー観戦しながら考える「多様性の本質」 なぜ「自己肯定感」が得られるのか

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――反対に、多様性がハードルとなることはありませんでしたか。とくに日本代表はさまざまな人種が集まっているチームですが。

「日本代表は誇りです」と語る廣瀬俊朗さん(撮影:今井康一)

廣瀬:あまり、日本代表で難しさを感じることはなかったです。ローカルなクラブはまた事情が違うと思いますが、日本代表は誇りですし、みんなポジティブな姿勢で参加しています。

そもそもセレクションもあるので、あわない選手は外れていきます。また、ホラニ龍コリニアシやリーチ・マイケルの存在も大きかった。高校時代に来日し、海外の文化も日本の文化も知っている彼らが橋渡し役となってくれました。僕自身も海外出身選手に積極的に声をかけることは意識していましたね。自分からいこうと。

大西:僕はトシ、エディーさんのときに変わっていったと見てる。それまでは我が強い海外出身の選手に対して、日本人が奥手なところもあって。でもだんだん自分を出すようになっていった。

正直、昔は日本代表が2チームに分かれているように感じる時代もあった。日本勢とニュージーランド・トンガ勢みたいな感じ。それをトシ、エディージャパンの活躍が変えたと思う。日本代表というチームの価値が上がっていってまとまるようになった。

ラグビーの「多様性」は国歌にも表れている

大西:ちょっと話は飛ぶけど、今回のワールドカップ、国歌やアンセムに注目してみると面白いかもしれない。そこにまさしく多様性が表れているから。

「国歌やアンセムにも注目すると面白いかもしれない」と見どころを教えてくれた大西将太郎さん(撮影:今井康一)

例えばニュージーランドは1番はマオリ語、2番は英語。南アフリカは5カ国語ぐらいで歌われている。あるいは、アイルランド、スコットランド、ウェールズはイギリス国歌ではなくそれぞれのすばらしいアンセムを歌っている。

――廣瀬さんは、ワールドカップに参加する国や地域の国歌やアンセムをみんなで歌う「スクラムユニゾン」という取り組みをされているそうですね。

廣瀬:ラグビーでは、相手チームのサポーター同士でもいいプレーをしたらビールをおごったり、おごられたりする文化があります。そこに国歌があればより友達になりやすいんじゃないかと。

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