夫の不倫と破産…2度離婚した39歳女性の転機 専業主婦が「稼ぐ力」を手に入れるまで

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「たまたま席が隣にいたのが、当時北関東の実家に住んでいた彼と、私の家の近所に住んでいた彼の叔父の2人連れでした。その叔父さんがやたらと私生活について質問してくるので、面倒になってバツイチ子持ちであることをすべて打ち明けてしまったんです。すると、『すぐにアドレスを交換しろ!』と私と夫をけしかけてきて」

そのままアドレスを交換し、友人関係を育むようになった。遠方に住む彼は休みのたびに上京し、麗子さんの趣味である夏フェスに同行。子どもたちの世話を焼いてくれるようになった。自然と距離を縮め、やがて交際に至ったものの、麗子さんは彼に対して不安を感じていたという。

「彼の両親や叔父さんが彼に『少しでも早く結婚を』と圧力を掛けるようになったんです。“結婚したい”というような発言が彼の口からちょこちょこ出るようになったものの、東京の会社に転職を考えるでもなく、貯金を始めるでもない。私はまだ看護学生で彼の地元へ引っ越すこともできない。ズルズルと付き合っていても仕方ないと思い、別れを切り出しました」

数カ月後、意を決した彼が転職を決めて、上京。3年越しのプロポーズを受け素直にうれしさを感じた麗子さんは、入籍を決意する。しかしその際、一点だけ互いに約束をした。それは“子どもとの養子縁組はしない”ということだった。

「私には、とにかく子どもを成人まで育てあげなくてはならないという危機感があり、前の夫からの養育費を1円でも切られたくなかったんです。その頃には前の夫は借金も完済し、すっかり充実した生活を取り戻しているとSNSを通じて知っていたので……。給料の低い彼よりも、前の夫の経済力に期待をしていたんです。

新しい夫は、長男である彼の兄嫁から、“初孫の座を連れ子なんかに渡すわけにはいかない”というプレッシャーをかけられていました。互いに生活が落ち着いたら養子縁組を考えよう、ということで意見が一致したんです」

重くのしかかる夫のファミリー・コンプレックス

しかし結婚生活は、麗子さんにとっていら立ちに満ちたものとなってしまった。心機一転、4人で家庭を築きたかった麗子さんに対し、夫は自分の実家に麗子さんたち3人を引き込もうとしたのだ。夫の提案するレジャーはすべて、北関東の実家で行われる親戚ぐるみのイベントばかりだった。

「結婚してからわかったのは、とにかく実家から自立していない人だということでした。家計のことも、家事・育児のこともほとんどわからない。試しに任せてみると、わからないことを私に相談するのではなく母親に相談するんです。いちばん驚いたのは、新居を購入する際の頭金600万円を、私への相談もなく親から振り込んでもらっていたことです」

多額の援助はもちろん感謝すべきことではあったが、何の疑問もなく大きな額を親に無心する夫に疑問が湧いた。その後も「どうしても実家で年越しがしたいと」言って、インフルエンザで寝込む2人の娘と夜勤で拘束される麗子さんを置いて1人で帰省するなど、夫のファミリー・コンプレックスぶりは目に余るようになった。

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