グーグルはなぜモトローラを売ったのか レノボにとってもグーグルにとってもプラス効果

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グーグルが1月30日にグーグルプラスに投稿した写真。左がラリー・ペイジCEO。右がレノボのYang Yuanqing会長兼CEO

グーグルは1月29日、モトローラ・モビリティを29.1億ドルで中国パソコン大手のレノボに売却すると発表した。2012年に125億ドルで買収したのと比べると売却価格が安く感じられるが、レノボに譲るのは多機能携帯電話のMoto Xや廉価版の Moto Gなどの製品部門と一部の特許。グーグルは主な特許を保有し続ける。また2月6日には、レノボへのモトローラ売却が完了した後、グーグルはレノボ株6億1830万株を1株1.213ドルで取得する。これによりグーグルはレノボの発行株式数の5.94%を保有する大株主になる。

両社の意図とはどのようなものだろうか。

レノボの意図は米国市場への本格的な進出だろう。レノボは中国国内では大手スマートフォンメーカーとして知られる。しかし、国外で苦戦している。米国市場3位のアンドロイドメーカーであるモトローラのブランドを手に入れることで、米国市場で有利になる。

レノボの世界展開加速

「モトローラはモバイル製品では世界で定評のあるブランド。そこにレノボの強力な製造能力と、世界的な流通ネットワークとが一緒になれば、世界のモバイル市場の販売競争で確固としたものになる」と、モバイルアプリケーションをテストするソアスタ社長でモバイル市場に詳しいトム・ローニボスはいう。

モトローラは現在 、中南米市場でも3位を占める実績がある。レノボが2005年にIBMからThinkPadを買収し、成功したように、今回の売却が決まれば、レノボはスマートフォンやタブレット市場でも成功への道のりは遠くない。

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