五輪後「東京の不動産価格は急落する」は幻想だ 値崩れしない「狙い目」物件はどこにあるのか
ただし、イギリスだけは傾向が異なります。2012年のロンドンオリンピック開催前は成長率の伸びがそれほどではありません。他国のようにオリンピック関連投資で伸ばすことができなかったと考えられる反面、当時すでに成熟した先進国であったイギリスではオリンピックのためだけの特別な投資がそれほど必要なかったという見方もできるでしょう。
また、開催後の反動減も見られず、1年後の成長率は2.05%、2年後には3.05%と伸びています。オリンピックは世界の人々が集うスポーツの祭典ですが、大きな注目が集まる中で、開催国が誇るビジネスを紹介・宣伝したり、海外の企業を誘致したり、外国人労働者を集めたりする機会も生むわけです。そうした影響がイギリス経済を好転させたと考えられます。
イギリスは現在、欧州連合(EU)離脱問題を抱えてはいますが、ロンドンオリンピック以降、外国人労働者が堅調に増えています。
堅調な発展が見込める「東京」に投資せよ
日本も外国人労働者が増えてきましたが、東京オリンピック以降、イギリスと同様の傾向をたどる可能性があります。参考までに、IMF(国際通貨基金)による日本の経済成長率の見通しは、下のようになっています。
IMFも予想しているとおり、オリンピックだけの要素で日本全体の経済成長は見込めないかもしれませんが、東京単体で見た場合は堅調に経済発展するのではないでしょうか。
現に、東京の開発は進んでいます。JR山手線には「高輪ゲートウェイ」駅、地下鉄日比谷線には「虎ノ門ヒルズ」駅が誕生します。虎ノ門ヒルズと六本木ヒルズの間には、大阪の「あべのハルカス」を超える日本一の超高層ビルが建設中です。渋谷や中野などの再開発も旺盛です。
これまでの見解から、オリンピック後も見据えて不動産投資をするなら東京がよいということになります。日本の人口が減少する中で、東京は2015年の1351万人から2017年1月に1365万人と人口が増え、2018年にはさらに10万人以上増えて1375万人となっています。安定して長期的に賃貸需要があることを考えると、人口密度が高いということは大きなポイントになります。
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