完成間近「品川新駅」に秘めたJR東日本の野望 建築家・隈研吾氏が考える「理想の駅名」は?
「日本の伝統的な折り紙をモチーフとしました」――。デザインを担当した建築家の隈研吾氏が白い大屋根の形状について説明した。あらためて目を凝らすと、長さ約110mの大屋根の形状は幾層に折り畳まれているようにも見える。白い幕を張った大屋根から、障子越しのような柔らかい光が駅舎内に差し込むという。
JR東日本(東日本旅客鉄道)は田町―品川間に建設している新駅の工事現場を8月29日に報道公開した。山手線では30番目の駅となる。
車両基地を再配置することで、13万㎡の再開発用地を捻出。同社は「グローバルゲートウェイ品川」というコンセプトを掲げ、「世界中から先進的な企業と人材が集い、国際社会に受け入れられる街」を目指している。
一部列車は新駅のレール上を走る
再開発エリアの交通アクセスの拠点として期待されるのが新駅だ。田町―品川間は約2.2kmあるが、新駅は品川駅から北に900m離れた場所に造られるのでやや品川寄りだ。2017年2月に工事がスタート。現在は「7割程度完成している」(JR東日本)状態で、2020年春に暫定開業が予定されている。
駅構内にはすでに山手線と京浜東北線の線路が敷かれている。京浜東北線の田町・大宮方面と山手線の外回り・内回りは、駅舎の先で線路が途切れており、実際の線路との接続はこれからだが、品川・横浜方面に向かう京浜東北線の線路は6月に切り替え工事を終え、新駅のレールの上を走り抜ける。
その列車に乗れば、車窓から足場に囲まれたホームの様子を眺めることができる。2つのホームはすでに完成。ホームからコンコースに上る階段も設置されており、駅の開業後に多くの利用客が階段を上り下りする姿が目に見えるようだ。
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