完成間近「品川新駅」に秘めたJR東日本の野望

建築家・隈研吾氏が考える「理想の駅名」は?

再開発のプロジェクト用地の面積はおよそ13万㎡。都心の再開発では近年まれに見る規模だ(撮影:尾形文繁)

このように新駅に関する話題は尽きないが、より注目したいのは新駅周辺に広がる再開発スペースだ。およそ13万㎡という広大なスペースは六本木ヒルズの11.6万㎡を上回る。

品川駅貨物ヤードや新幹線車両基地の跡地を再開発して誕生した品川駅東口の約16万㎡、汐留貨物駅跡地を再開発した汐留シオサイトの約16万㎡に匹敵する大型の再開発だ。

品川新駅を中心とした再開発エリア(資料提供:JR東日本)

完成後の姿を見せつつある新駅とは反対に、周囲には何もない更地の空間が広がる。隈氏は「駅と街は一体」と語っているが、今のところは駅舎建設だけが先行している。もっとも、工事が遅れているわけではなく、今年1月に環境影響評価手続きや都市計画手続きが始まった。問題がなければ工事には2019年に着手。2024年に工事を終えて、街開きというスケジュールだ。

JR東日本にとって初めての「街づくり」

今回は再開発エリアのうち田町寄りの9万5000㎡が開発対象となり、地上30~45階建ての超高層ビル3棟と地上6階建てのビル1棟が建設される。低層階は商業施設や文化施設、中・高層階はオフィス、ホテル、住居となる予定だ。JR東日本は東京駅周辺の超高層ビル「グラントウキョウノース/サウスタワー」「サピアタワー」や、新宿駅南口の「新宿ミライナタワー」など首都圏に多数のオフィスビルを持ち、不動産会社としての実績にも優れるが、今回のような「街づくり」は同社にとっても前例がないチャレンジだ。

アジアでは上海、香港、シンガポールなどの都市もグローバルゲートウェイを標榜し、世界中から企業や優秀な人材を呼び込むための環境整備に力を入れる。東京都は税制措置の見直しや規制緩和策を打ち出して外国企業の誘致を図るが、外国人が「ここで働きたい」と思わせるようなハイクオリティの街づくりも不可欠だ。

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