「オーガニック後進国」日本の残念すぎる事実

政府も消費者も積極的に推進していない

同じ先進国でも有機食品の普及度合いでは、日本と諸外国の差は大きい(写真:markoke/iStock)

日本でも徐々に「オーガニック(有機)」を謳う商品や、有機野菜などを扱うレストランが増えつつある。が、それとは裏腹に日本の有機農業は伸び悩んでいる。農林水産省によると、有機食品市場規模は、2009年から2017年の間に1300億円から1850億円に成長はしている。

だが、この数字からは、日本が有機農業において世界でどれだけ遅れているのかはわからない。

グローバル・オーガニック・トレード・ガイドによると、有機食品が日本の農産物の売上高に占める割合は1.5%で、アメリカ(5.5%)、フランス(7.7%)、ドイツ(10.4%)と比べるとわずかだ。また、有機市場規模(約5.9億ドル)は世界13位で、1人当たりの有機食品購入額(約4.7ドル)は23位と振るわない。購入額で見ると、アメリカ人は日本人の15倍、フランス人は13倍、スイス人に至っては34倍に上る。

世界では10兆円規模の市場

2017年時点では、日本の有機農業の耕作面積はわずか1万ヘクタール(耕作地の0.2%)(国策として有機農業に力を入れているフランスでは200万ヘクタールが有機農業に使われている)。2017年では、日本で作られるコメのわずか0.1%、野菜の0.35%しか「オーガニック」の認証を受けていない。

一方、世界に目を転じると、有機農業市場は伸び盛りで、世界の有機食品市場規模は2018年に初めて1000億ドル(約10兆6000億円)を超え、今後も各地で成長が期待されている。それにもかかわらず、日本はなぜこの分野で後れを取っているのだろうか。

それには、いくつか理由がある。1つは、政府や行政が有機農業に積極的ではないことだ。ある輸入食品業者は「有機農業に理解がある政治家も農村部の有権者が反旗を翻すことをおそれ、公には有機農業推進の意向を示さない」と話す。

農林水産省も有機農業支援に力を入れているとは言いがたい。それは、有機農業先進国のフランスと比べると明らかだ。フランスは2001年に「アジャンス・ビオ」と呼ぶ官民の有機農業振興団体を設立しており、2019年の予算は800万ドルにも上る。同機関は有機農業に転換したい農家に対する資金援助などを行っている。

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