内陸を走る総武線の「海抜」が京葉線より低い謎 地盤沈下で海沿いの埋立地と高さが逆転
昭和30年代後半から地下水の揚水規制が行われたが地盤沈下は止まらず、昭和40年代後半、水溶性天然ガスの採取停止により、やっと沈下が止まった。それから40年以上経つが、地盤は沈下したままで、元に戻ることがほとんどない。
総武線の両国駅から小岩駅へかけては、昭和の戦前戦後に地盤沈下が激しかった地域を走る。同区間の開業は明治時代後半なので、地盤沈下の影響をもろに受けてきた。そのため海水面より低い区間や駅が現れてしまった。
東京湾の大潮時の満潮海水面は海抜約1m。それを考慮すると両国駅付近から小岩駅付近まで約10kmが海水面より低い所といえる。
総武線に乗り、荒川橋梁付近を車窓から注視していると、平井駅から荒川堤防の手前までの家並みが続く所の地面は、電車が堤防を越えて目に入る河川敷よりずっと低い位置にあるのが実感できる。
京葉線は戦後の埋立地を走る
一方、京葉線は、潮見駅から舞浜駅付近に関しては、昭和の戦後以降に埋め立てられた地を走っている。
新木場―南船橋間の開業が昭和63年、東京―新木場間が平成2年であり、沿線は地盤沈下がおさまった時期からの埋め立て地である。
また、近年の埋め立て地は、海水面よりある程度高くなるように配慮されて造成されている。そのため、京葉線沿いは総武線沿いより、都内区間ではかなり海抜の高い地を走ることとなった。
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