「サマンサ・コナカ誕生」でも視界不良のわけ シナジー効果は不透明、異色タッグの難路

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もっとも、ブランドイメージが両極端のコナカとサマンサでは、店舗間での商品の横断販売や相互送客といった相乗効果は期待しづらい。商品開発の面でも、衣服を主力とするコナカ、バッグがメインのサマンサとでは、どこまで互いのノウハウを生かせるかも不透明だ。

とくにサマンサJPにとっては、時間をかけて相乗効果の発現を待つ余裕がない。業績の立て直しに向けて商品施策の見直しや店舗整理を進めているさなかで、当面は赤字体質からの脱却が最優先課題となる。

コナカ傘下でサマンサのブランド力は?

業界内では、コナカ傘下となることでサマンサのブランド戦略の先行きを不安視する声もある。一時期ほどの人気は衰えたとはいえ、サマンサのブランドイメージは、ヒルトン姉妹やミランダ・カーなど多くの海外セレブらを広告宣伝に起用する独自のビジネスモデルで築いてきたもの。4月に創業者の寺田氏が退任し、新たな経営体制が始動したばかりでもある。

サマンサとはブランドイメージが両極端で、コナカが展開する店舗との相互送客などではシナジー効果を見込みにくい(記者撮影)

アパレルに詳しい業界関係者は「コナカとは、在庫管理の効率化などの点でシナジーが期待できるが、サマンサのブランド力を維持するには、コナカがどこまで口を出さずにいられるかがカギを握る」と指摘する。

コナカにとっても不安が残る。「ただでさえ既存事業のスーツ販売が厳しい中、赤字の会社を傘下に持つ余裕がコナカにあるのか」(前出とは別の紳士服チェーン幹部)。

異色のタッグはもくろみどおり、相乗効果を発揮できるのか。その道のりはたやすくはなさそうだ。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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