9月の内閣・党役員人事、二階氏の処遇が焦点に

麻生、菅両氏は留任、内閣に若手大抜擢か

ただ、対韓外交での強硬姿勢が世論調査でも評価され、「続投支持」は閣僚の中でもトップ。河野氏がポスト安倍にも意欲を示していることもあり、「首相も続投か交代かで迷っている」(周辺)とされる。

交代した場合は即戦力となる茂木氏の名前が挙がるが、こちらも竹下派の派内事情から「茂木氏だけが重用される」とのやっかみの声も多く、状況は複雑だ。

最大の注目はやはり小泉氏だ。過去に例のない首相官邸での結婚報告は派手に報道されたが、党内では「露骨な官邸へのごますり」(閣僚経験者)との批判も相次いだ。ただ、ポスト安倍で人気ナンバーワンの小泉氏を入閣させれば、「内閣支持率も最低5ポイントは上昇する」(世論調査専門家)とされる。安倍首相としても「目玉閣僚になれるのは小泉氏だけ」(側近)であることは間違いない。

悲願の憲法改正に向け、人事も「改憲シフト」

安倍首相はこれまでも小泉氏に入閣を打診したとされる。その一方で、小泉氏は総裁選では2回連続で首相の対抗馬だった石破茂元幹事長に投票しており、「本音は反安倍」(自民長老)との見方も多い。

現在、党厚生労働部会長として社会保障政策づくりを担当し、首相周辺からは「混乱が続く厚生労働省の立て直しに取り組ませる」と、厚労相への抜擢説も出ている。ただ、伴侶となった滝川クリステルさんが来年1月出産の予定で、「イクメン議員に徹するため、今回も入閣を断るのでは」(自民幹部)との見方もある。

参院選勝利を受けて、首相は悲願の憲法改正実現にも強い意欲をアピールし、10月4日召集予定の次期臨時国会で衆参両院憲法審査会での改憲論議の本格化を党幹部に指示している。今回の人事でも、党や国会での「改憲シフト」が注目されている。

昨年10月の人事で、側近の下村博文元文科相を党憲法改正推進本部長に、新藤義孝元総務相を衆院憲法審査会の自民筆頭理事に配する「改憲シフト」を敷いた。しかし、両氏の挑発的な言動に野党側が反発し、「逆効果になった」(自民長老)。このため、野党側とのパイプもあり、党長老で最大派閥の細田派会長でもある細田博之元幹事長を党本部長に復帰させる案が浮上している。

自民党内の入閣待望組は約70人とされるが、首相は8月27日の記者会見で「党内でまだ光が当たっていなくても有能な人材はいる」と述べた。これは、「今回の人事で安倍首相は、派閥を超えて能力重視で一本釣りする考え」と受け止められている。

総裁選直後となった前回人事で「派閥バランスを重視して順送り人事を強いられた」(首相周辺)ことへの反省からだ。「今回が安倍政治の完結のための最後の布陣」(同)ともなるだけに、「首相は安倍流人事の集大成として、ぎりぎりまであらゆる要素を考慮して判断する」(首相経験者)。関係議員は人事直前まで「首相の片言隻句に神経をとがらせる」(同)ことになりそうだ。

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