養護施設の子どもが「1+1=2」理解できない事情 「数字の概念」がわからない子どもたち
「私たちは中高生の学習支援も長年やってきたので、中高生から勉強をスタートすることの難しさやもったいなさを痛感しています。中学2、3年から始めると、受験が目の前に差し迫っていて基礎からのスタートができない。中卒はかなり厳しいので、『受験にとりあえず受からないと』という理由での学習支援になる。それを乗り越えたとしても、高校に入ってまたつまずいて中退してしまったり、何のために高校に行ったかわからなくなってグレてしまったり、勉強嫌いを克服できずに不登校気味になったりする子もいます。もっと早くやってあげれば、ここまで勉強嫌い・学校嫌いにならなかったのかなと。それを解消するには、小学校低学年・中学年からスタートしないとなかなか厳しい」
小2で登校停止、小学生からの支援が必要な理由
森山さんは長年支援を続け、多くの子どもたちと出会ってきました。その中でも特に忘れられないのは、勉強についていけずに小学校で荒れ気味になり、小学校2年で登校停止になった男の子です。
「保護者から『あの子、学校来させないでください。あの子がいるとうちの子の勉強の邪魔になる』とクレームが入り、小学校2年生で登校停止になってしまいました。かなりエネルギーがあり暴力グセのある子だったので、勉強ができないけど授業が展開されていることにイライラして余計にそうなったのだと思います。気に食わないことがあると子どもに暴力を振るう家庭だったようで、その子もすごく暴力を受けてきていました。その子は悪気なく、自分に今思いつくことをやっているだけ。もちろんよくないことですが、それはやはり、大人や施設、私たちが解消していかないと。スタートラインはその子のせいじゃない。彼のような子はどこでもありえる」
生まれ育った環境によって子どもたちの自信や希望が奪われることのないよう、3keysは子どもたち一人ひとりに寄り添った支援を続けていきます。クラウドファンディングは、9月3日まで(支援URL)。
(※2)児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)平成27年1月、厚生労働省雇用均等・児童家庭局
(※3)「もっと、もっと知ってほしい児童養護施設」2015年3月、全国児童養護施設協議会(全養協)
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