日本KFCトップ交代、新社長が抱える課題 競争激化、既存店の苦戦で今年度は大幅減益
競合のコンビニと協調?
日本KFCは昨年11月の中間決算発表で、通期の売上高を810億円(前期比5.7%減)、営業利益は7億円(同70.8%減)に下方修正した。最大の要因は既存店の苦戦だ。コンビニのチキンなどが台頭し、主力のオリジナルチキンの売りである純国産という点が差別化の材料につながっていない。
クリスマスキャンペーンで過去最高の売り上げを達成した昨年12月は、直営とFCを含めた全体の1店あたり月次売上高が、前年同月比で101%を記録した。ただ、11月までは14カ月連続で前年割れが続いていた。近藤氏も「チキンといえばケンタッキーという状況になっていない」と指摘するなど危機感は強い。
渡辺現社長時代は、12年4月に東京都・下北沢にアルコールを提供する新業態店、昨年6月には東京ドームシティに調理工程を「見える化」した新型店をオープンした。また、昨年10月から「鶏から亭」と銘打った同社初の持ち帰り専門店を出店し、14年3月末までに6店を出店する計画だ(関連記事「ケンタッキーが始めた唐揚げ店の“旨み”」)。
在任中にこうした新たな取り組みを行ったことを、「一つの成果」として強調した渡辺社長。だが、どれも実験店的な色合いが強く、現時点では本格的な出店拡大に至っていない。
今後の取り組みについて「何も決まっていない」と述べた近藤氏だが、会見では、「競争が激しいことは決して悪いことではない。それだけ市場は盛り上がっている。コンビニとは競争だけでなく、協調していくというのも一つの選択肢として考えられる」とも語った。渡辺社長が撒いた種を芽吹かせつつ、勢いを増すコンビニにどう対抗していくのか。落ち込む業績の回復に向けて、就任初年度からその手腕が大きく問われそうだ。
(撮影:梅谷秀司)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら