日本KFCトップ交代、新社長が抱える課題 競争激化、既存店の苦戦で今年度は大幅減益
「人事は突然やってくるもの。驚きがあったわけではない。ただ、40年の歴史がある会社を背負うことに、身の引き締まる思いがした」――。
日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)の次期社長は、社長就任の話を聞かされた時の感想をこう述べた。
日本KFCは1月31日、4月1日付で三菱商事生活産業グループCEO補佐の近藤正樹氏が新社長に就任する人事を発表した。2006年からトップに就いた渡辺正夫社長は同社顧問に退く。
三菱商事の子会社である日本KFCでは、今回の近藤氏で3人続けて三菱商事出身者が社長に就任することになる。
社長交代のタイミングについて渡辺社長は「4月1日の持株会社(日本KFCホールディングス)体制への移行を機に近藤さんにバトンを引き継ぎ、より一層スピード感を持って業容拡大に取り組んでもらう」と述べた。
近藤氏は1978年に早稲田大学を卒業後、三菱商事に入社。食品原料部などでコーヒー事業に携わり、08年には伯国(ブラジル)三菱商事の社長に就任するなど、南米での海外経験が豊富だ。近藤氏は31日の会見で、「私自身の経験をどう生かすかはこれからの話。消費者のライフスタイルが変化する中、前例にとらわれない取り組みを実践してより良くしていきたい」と述べた。
海外経験をどう生かすかも注目されるが、足元の業績や市場環境を見る限り、難しい舵取りを迫られそうだ。
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