未既婚の年収格差にかかわらず、アラサー男性の未婚率56%以上の県というのは、すべて、妻年下婚のほうが多いエリアに完全に分かれました。逆に言えば、年収にかかわらず結婚できているエリアは「姉さん女房婚」が多いことを示します。そして、それらはほとんど九州に集中しています。
一方、それと対極に位置するのが東京です。東京のアラサー男子は、結婚したくても未既婚収入格差の壁が立ちはだかり、アラサー未婚率も全国1位なのですが、そこには年上妻との結婚が少ないということも影響していると言えます。
夫が年上の婚姻数も減少
今回、都道府県別でアラサー男子の未婚と既婚の年収格差を見てきましたが、確かに、東京や大都市圏においては「金がないから結婚できない」という問題はあるでしょう。結婚相談所に行っても「年収○○○万円未満はお断り」という厳しい条件も突き付けられます。
未婚化が問題視されても、行政の支援はどちらかといえば、少子化や子育て支援ばかりに目がいきがちです。取り残された「結婚したいけどできない未婚男性」たちは、今後どうすればいいのでしょうか?
ちなみに、婚姻数の多かった頃の1970年には、夫年上婚は62万組あり、全婚姻の8割を占めていました。それが、2015年には21万組、構成比55%に激減しています。実に、41万組もの夫年上婚が消滅したのですが、1970年と2015年の婚姻総数の減少数も40万組です。つまり、婚姻数が減った要因は、この夫年上婚が減った数と完全に一致します。
未婚男性ほど「年上の自分が金を稼ぎ、妻と子を養わなければいけない」という結婚規範にいまだに縛られています。そうした規範とは裏腹に、稼げない自分に自信喪失した男たちが行きつく先が、「結婚したいけどできない」という袋小路なのではないでしょうか。
既婚者の皆さんが「だらしがない」「ちゃんと稼げばいいじゃないか」と言いたくなる気持ちもわかりますが、収入に関して言えば、個人の努力の問題ではなく、バブル崩壊以降30年続いた経済環境によるものでもあります。
彼らの自己責任に押し付けてしまうのは酷というものです。『独身男が「結婚コスパ悪い説」を信奉する理由』でも書いたように、結婚をコスパで考えてしまうのは、彼らなりの心の鎧なのかもしれません。
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