一方、以下のような客観的な原因も、旅行客が激増した原因なのだろう。
①日本の外務省が、ビザの発給基準を緩和した。
②日本円が円安傾向のため、日本旅行は割安感が出た。
③欧州旅行よりも手軽で近いから、春節の旅行にはうってつけ。
④福島原発の危険性は、以前よりも少なくなった。
⑤東京オリンピック、富士山の世界遺産のニュースが後押しした。
⑥東南アジアは混雑する上に、タイの暴動などが旅客の足を日本に向けた
肺をきれいにするツアーが人気に
日本の旅行業界では、もともとおカネを落としてくれる中国人団体に期待している。観光庁などによると、中国人客による、日本での平均の「買い物代金」は約11万円で、国別では断然トップ。2位のロシア人(約6万3000円)を大きく引き離している。中国客は日本でカメラやパソコンなどの高額製品を買うことが多く、日本の小売業にとって大事な客である。
今年の春節旅行は、政府系の中国観光研究院の報告によると、連休期間中の旅行者は国内も含めると、前年比約1割増の2億2500万人と見込まれるとしている。日本に来る正確な数は現時点では分からないが、前年比でかなりの増加が見込まれている。
そのなかでブームになっているのは「換肺遊ツアー」だ。「肺を綺麗にするために」、空気がキレイで温暖なリゾート地の人気が高いらしい。春節につきものの爆竹が、全国で大気汚染を引き起こしている。爆竹は魔除けが目的だが、北京では、PM2.5の数値が春節初日に469を示し、日本の基準の約13倍になったという。
この「換肺遊ツアー」、国内では海南島やアモイに人気があるが、海外旅行ではプーケット、バリ島、モーリシャス、済州島、モルディブの順に人気があるらしい。日本はいわゆる「南の島」というわけでは必ずしもないが、どこに行っても空気が綺麗なので「換肺遊ツアー」と考える旅客もいるようだ。
まあ、いずれにしても、中国の一般人が反日感情を本気で持っているとは考えにくい。中国のネットでも、たとえば最近は「日本のことをもっと理解しなければならない」という新華経済のコラムが出ており、注目されている。
また、「日本製品を買うべきだ」とのコラムも、注目されている。このように、中国人の日本観にも変化が出てきたのかもしれない。だが、まずは春節旅行で、ゆっくりと日本の温泉にでも浸かってもらいたいものだ。お互いに視野が広がれば日中友好関係の構築に大いに役立つはずだし、私も微力ながら日中友好に努力したい。
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