「がん検診」現役医師が教えるデメリットの数々 「不十分なエビデンス」に基づいた検診の弊害

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がん検診は、1次検査で大量の偽陽性を生み出します。そして、精密検査では、がんの疑いのある組織を採取するなどすれば痛みを伴い、出血や感染といった合併症を起こすことがありますし、最終的にがんではなかったとしても「がんかもしれない」と言われて結果が出るまでの間、不安になります。中には、がんではないという精密検査の結果が出ても、そちらのほうが間違っていることを恐れ、ずっと不安なままの人もいます。

「過剰診断」も、がん検診の害の1つです。過剰診断とは、「治療しなくても症状を起こしたり、死亡の原因になったりしない病気を診断すること」です。無症状でがんと診断され、治療を受けた人の中には、治療をしなくても一生症状が出なかった人がいます。

過剰診断は珍しいものではなく、例えば検診で乳がんと診断された人の20~30%が過剰診断です(※2 Bleyer A and Welch HG., Effect of three decades of screening mammography on breast-cancer incidence., N Engl J Med. 2012 Nov 22;367(21):1998-2005.)。

甲状腺がんは過剰診断が起こりやすく、韓国では甲状腺がん検診が盛んに行われたため、がんと診断される人が15倍になりましたが、その多くは過剰診断でした(※3 Ahn HS et al., Korea’s thyroid-cancer "epidemic"—screening and overdiagnosis., N Engl J Med. 2014 Nov 6;371(19):1765-7.)。

甲状腺がんや前立腺がんの一部のように治療をせずに経過観察するがんもありますが、多くの場合、がんと診断されると治療もされます。過剰診断は「過剰治療」につながります。

「腫瘍マーカー」は意味がない

では、具体的ながん検診を例に挙げていきましょう。まず、PSA(前立腺特異抗原)以外の「腫瘍マーカーによるがん検診」はおすすめしません。

採血だけで測定できる腫瘍マーカーは、その手軽さのためか、がん検診によく利用されますが、利益は明確ではありません。一般的に腫瘍マーカーはがんが進行しないと上昇せず、早期発見に向いていないのです。保険適応となる腫瘍マーカーの使い方は、治療の効果判定、がんの手術後に再発していないかを調べるフォローアップ、画像で見つかった腫瘍の性質を知るための質的診断などを目的としたものです。無症状の人からがんを見つけ出す検診目的では、全額自費になります。数千円を払って、意味のない検査を受けるのは馬鹿馬鹿しいです。

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