「地頭がいい人」とそうでもない人の決定的な差 知識の世界で重要な「答え」よりも意味を持つ

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次に細谷氏が焦点を当てているのは、地頭力と対人感性力との違いである。地頭力を対人感性力と比較すると、「地頭力を発揮するためにはある程度『性格が悪く』なる必要がある」というのである。

つまり、こういうことだ。

地頭力では一貫性(論理的であること)を重視するのに対して、対人感性力では相手の矛盾を許容することも大切です。
地頭力では「まず疑ってかかる」のに対して、対人感性力では「まず共感する」ことが求められます。また、地頭力では「批判的に考える」のに対して、対人感性力では「批判はしない」のが求められる姿勢だからです。(145ページより)

なお、これは地頭力と対人感性力との「使いどころの違い」にも表れてくるという。

一般的に仕事を進めていく場合、まずは頭の中で考えたり計画したりし、次いでそれを実行していくという流れになる。いわば川上から川下へという流れだが、このとき地頭力(=思考力)が求められるのは川上の場面だ。

また、頭の中ではクールに考え、実行に際しては必ずしも合理性や効率性にこだわらないという柔軟性も必要だろう。そういう意味では、「人間心理の矛盾」を逆手にとることで相手の心理や感情に訴えること、それが知的能力のうまい使い方だと細谷氏は言う。

HOW:「結論から」「全体から」「単純に」考える

話を戻そう。先の図「3つの知的能力と『地頭力』の全体像」の下側には、地頭力を構成する要素を定義しているのだという。

上の部分にあるのは、「結論から」考える仮説思考力、「全体から」考えるフレームワーク思考力、「単純に」考える抽象化思考力。そしてそのベースとして、論理的思考力(ロジカルシンキング)、直観力、知的好奇心の6つの要素があるということだ。

・ 知的好奇心
「既知のものと未知のもののどちらに興味を示すか」がわかりやすい知的好奇心の強さの目安です。
・ ロジカルシンキング
ロジカルに考えるというのは、思考力の基本中の基本です(が、それがすべてだというわけでもありません)。
・直観力
知識と経験はここで思考力と深く関連してきます。思考の基になるのが知識と経験であり、そこから出てくるのが直観です。
・ 仮説思考力
限られた時間と情報で仮の結論を導き出してみるという仮説思考は、特に変化の厳しい現代に求められる能力です。
・ フレームワーク思考力
「全体から考える」フレームワーク思考は、思考の癖を認識し、矯正するために有効なツールです。
・ 抽象化思考力
「単純に考える」抽象化思考は、具体→抽象、そして抽象→具体という「具体と抽象の往復運動」によって生まれます。
(146〜147ページより)
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