元リクルート出世頭が狙う、UIの世界王者 デザインは集合知で改善できるのか?
順調に見えるチーム作りだが、課題も出始めているという。そのひとつが、チームから会社に移行するうえで、会社の性格・キャラクターをどのようにするかという点。
「会社のキャラって、一度決まってしまうとなかなか元に戻せない。各社のエースの方にジョインしてもらっているので、時にはぶつかることもある。そのときに、何をよりどころにするのか。議論するうえで、何を価値判断の基準にするのか。そこのベースになるのが、会社の性格だと思います。だから、この部分はかなり慎重に扱っています」
3月までに社員も10人以上増え、ますます国籍も多様化する。その中でどのように「会社のキャラ」を作っていくのか。
「結局は、日常の些細な行動に気を配ることだと思います。確かに、時期としては会社のミッションを言語化する段階に来ていると思います。ただ、先に言語化したから、会社のキャラができるものでもない。非常に繊細な問題です。ましてや、組織がグローバル化する時代に、キャラを言葉にするだけでも難しくなる。全員のコンセンサスを得るには、やはり日常にしか解がないと思います」
「インターフェースの問題は、解が存在しない」
アメリカと日本のUIへの取り組みの現状については、グッドパッチの土屋CEO同様、日本よりもアメリカのほうが進んでいるという。
「アメリカでは、社内にUI専門チームを作り、内製できる仕組みを整える企業が急増しています。その背景にあるのは、デジタル化に対する生存本能です。デジタル分野での淘汰のスピードが、日本と比較にならないくらい速い。日本では、デジタル化しなくても死なない会社がまだたくさんあるでしょう。しかし、向こうでは適応できなければ死ぬしかない」
デジタル化、その先にあるUIデザインという大テーマが、いよいよ日本にも訪れようとしている。そのトレンドからは、逃れようがない。