JR東の新たな一手、英国で「日本流」は根づくか

駅ナカ自販機を設置、鉄道運行面では課題も

単に日本の自販機ノウハウを英国に持ち込んだのではない。現地化を徹底させた。自販機は日本からの輸入ではなく、英国の自販機メーカーが製造した。そして地元の業者が自販機で売る商品の仕入れ、補充、保守などの業務を行う。

「駅ナカ自販機」の本体はイギリス製。商品の仕入れや補充、保守も地元業者が行う(写真:JR東日本)

ここまで徹底しているのは、英国での本格的なビジネス展開を見据えているからだ。自販機が3台だけというのが気になったが、「マーケティング的な位置づけ。販売動向を今後の展開に生かしたい。設置台数は10台程度まで増やしていきたい」(松澤氏)という。今回の試みは来年6月末までの予定だが、当然その先の展開もにらむ。

日本の自販機とは違う機能もある。自販機に鉄道のリアルタイム運行情報が表示されるのだ。英国では日本と比べると駅構内で列車運行情報が表示されることが少なく、自販機を情報表示器としても活用させることにしたのだ。また、自販機にはカメラが設置されている。これは防犯目的として使われるほか、自販機の前に人がいるかどうかを認識して、人がいないときはディスプレイをデジタルサイネージ(電子広告)として活用することもできる。

肝心の稼働状況は?

日本では夏の暑さも本格化し、のどの渇きをいやすために駅ナカ自販機がフル稼働する季節が到来した。英国も今年は記録的な猛暑だ。設置から1カ月、自販機の稼働状況はどうだろうか。

「現地のお客様に使っていただけていますよ」と松澤氏。「でも日本のように“暑いから買う”“必要性があるから買う”という感じではく、“新しさ”にひかれて買っている人が多いようです」

ドリンクを2~3本まとめ買いする人がいる。夕方のほうが売れる。どうやら今すぐ飲みたいという理由で買っているわけではなさそう。日本とは売れ方がどうも違うようだ。でも、わずか3台では、のどが渇いている人が自販機の前にやってくる確率も低いことも事実だ。その意味では、もう少しデータの収集を待つ必要がある。

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