韓国の若者6人が語る「ヘル朝鮮」と「対日感情」 政治への関心希薄でも「日本は早く謝罪を」
韓国の若者は日本の若者よりも政治参加意識が高い、というイメージで捉えられがちですが、人にもよるようです。実際、「日本の若者は政治に興味ない人が多く、投票率も低い」という話をしたところ、E君はこう話しました。
「韓国だって同じですよ。20代の投票率は低いですし。僕は今18歳ですが、自分たちより下の世代はもっと政治に無関心だと思います。韓国は学歴重視の国なので若者は勉強に時間を取られていますし、少しでも余暇時間があったら遊びたい(笑)。ニュースもあまり見ませんし、政治がどうなっているかは、僕自身よくわからないです」(E君)
「日本は早く謝ってほしい」
ただ、政治意識の有無にかかわらず、日韓関係となると話は別のようです。
「従軍慰安婦の件では早く日本に謝ってほしい」(B君)
従軍慰安婦問題については、日本政府は1993年の河野談話、また2015年の慰安婦合意で公式に謝罪し、日本側は元慰安婦を支援する財団に10億円を拠出し、支払いが行われてきました。しかし、それに対して彼はこう話しました。
【2019年8月9日9時55分追記】東條英教の名前に誤りがありましたので表記のように修正しました。
「実際の被害者たちは何ももらっていないし、(安倍首相から)直接謝罪を受けていない。ただ上の人たち同士でやっているだけ。韓国の若者たちも、ただ金を出せばいいのかという気持ちで、納得していませんよ」(B君)
18歳のE君は「政治がどうなっているか、わからない」にもかかわらず、「安倍政権には譲る姿勢を見せてほしい」とはっきり言いました。ただ気になったのは、彼が「安倍首相は従軍慰安婦問題なんてなかったと言っている。それがいけない」と口にしていたことです。
少なくとも私は、日本でそのような報道を聞いたことがありません。政治に詳しくないと自称する彼がイメージだけでそう言っているのか、そのように報道する韓国メディアや口コミが存在するのか、定かではありませんが……。
いずれにしろ、韓国人の日本に対するネガティブな感情は、若者世代であっても、そして政治に興味関心があろうがなかろうが、根強く残っている部分があると感じました。上の世代やマスメディアによる報道や教育によって、韓国の若者たちは日本に対するネガティブな感情を否応なく刷り込まれる面があるのです。「世代が変われば解決する」といった楽観論は、大変残念ながら、令和の時代になってもまだ難しいかもしれません。
一方、そうした両国の対立に困惑している韓国の若者もいます。以前ソウルでインタビューした女子大生に、緊迫する日韓関係について最近聞いてみると、複雑な心境について話してくれました。
彼女は大の日本好きで、バイトで稼いだお金の多くを日本旅行や日本製品を買うのに使い、頻繁に船で九州に友達と来て旅行を楽しんでいました。ところが、最近はその日常が変わっているといいます。
「今、多くの友達は日本製品を使わないようになってきています。(日本が好きだった)私でさえ、です。日本行きの飛行機の値段がかなり安くなってきているので、本音では日本に行きたいんですが、周りの目を考えるとどうしても気兼ねしてしまいます」
そう悲しそうに語っていました。
政治情勢は今後も刻々と変わりそうですが、変わらないものもあります。それが日本のカルチャーへの興味です。次回の記事では、彼らが抱く日本への興味や、韓国国内のトレンドについてリポートします。
(次回に続く)
(構成:稲田豊史)
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