勝者はれいわとN国?笑顔なき「参院選通信簿」 ポスト安倍レースは岸田氏失速、菅氏浮上
一方、メディアが「躍進」とも報じた立憲民主党にも笑顔はなかった。改選9議席が17議席へ、ほぼ倍増したが、事前に予想された20議席以上にはとどかなかった。
枝野幸男代表は「結党から2年弱で、大きく議席を伸ばすことができた」と強がったが、枝野氏主導で数多く擁立した「タレント候補」が軒並み落選。党内からは「選挙戦術を間違った」との恨み節も漏れてくる。
立憲とともに旧民主党をルーツとする国民民主党は予測どおり議席を減らし、比例でも3議席にとどまった。玉木雄一郎代表は「結党して初めての国政選挙。次に向けた1つの大きな土台を築くことができた」と語ったが、改憲をめぐる党分裂の可能性もささやかれている。
「れいわ」と「N国」は破顔一笑
善戦が予想された共産党も1議席減らし、志位和夫委員長は「比例代表で、2017年総選挙と比較して得票数、得票率とも前進させた」と胸を張ったが、党勢拡大への道は険しい。社民党も何とか1議席を守って政党要件を維持したが、未来への展望はまったく開けない。
予想を上回る10議席で3議席増となった維新は首都圏でも議席を得て、「地域政党脱皮への道が開けた」(幹部)と笑顔がはじけた。ただ、北海道に強い地盤を持つ鈴木宗男氏(比例で当選)や元知事として神奈川選挙区で議席を維持した松沢成文氏ら、「外資導入」に頼った勢力拡大で「次も成功する保証はない」(維新選対)のが実情だ。
対照的に破顔一笑したのが「れいわ新選組(れいわ)」と「NHKから国民を守る党(N国)」だ。2001年に非拘束名簿式が導入されてから初めて、政党要件を満たさない諸派として比例議席を獲得したからだ。れいわが2議席、N国が1議席を獲得したが、両党が集めた比例票326万余は国民民主の得票と肩を並べる。もちろん、政党要件である「得票率2%以上」も達成した。
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