「10歳の時の罪」で18歳を拘束するサウジの異常 子どもたちの自転車デモを牽引しただけで

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ムハンマド皇太子には説明責任がある(写真:Kevin Lamarque/ロイター)

サウジアラビアで18歳の少年が、逮捕後、4年以上も起訴されないまま拘留されたあげく、死刑判決を受ける可能性に直面している(編注:現在は、死刑は免れ、12年の禁錮刑になっている)。それも人権団体によれば、10歳の時に犯したとされる罪で、だ。

少年の名はムルタジャ・クレイリス。「子どもの処刑より深刻な国際法違反などほとんど存在しない」と、ムルタジャの問題を追ってきた人権団体「リプリーブ」のマヤ・フォア理事は言う。「(ムルタジャの死刑を求めることで)サウジの現政権は、自分たちは何をしても許される存在だと世界に喧伝しているのだ」とフォアは言う。

起訴されないまま、長年拘束されてきた

ムルタジャは13歳のときに逮捕され、それからずっと身柄を拘束されている。容疑は火器の所有やテロ組織への加入など複数あるがいずれも反政府抗議運動への参加に関係したもので、一部は逮捕の3年前にさかのぼる。

人権団体「欧州サウジ人権組織(ESOHR)」は以前から、ムルタジャの問題に注目してきた。ESOHRによれば、ムルタジャは起訴されないまま長年、拘束され続けた。最初は独房に入れられ、強要されて「自白」するまで弁護士との接見も許されなかったという。人権団体アムネスティ・インターナショナルも、昨年8月に初のムルタジャの公判が開かれ、検察が死刑を求刑したことを確認している。

死刑はサウジでは珍しくない。斬首刑が行われることが多い。人権団体によれば身柄を何年も拘束され、拷問されたあげくのでっち上げ裁判、そして処刑というのがお決まりのコースだという。だが、さすがのサウジでも子どものときの行為を罪に問われて首を切られるというのは異例だ。

ワシントンにあるサウジアラビア大使館からコメントは得られなかった。ちなみにサウジ政府は長年、同国で死刑数が多いことの正当性を主張している。

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