こうしてパッケージング、そしてサイズはロジカルに導き出されているが、そこは最近のマツダ車らしく、外観は機能主義に走らず、むしろエモーショナルに仕立てられている。
特徴的なのは、ボディ下回りやフェンダーを覆う樹脂製のクラッディングパネル。これがSUV/クロスオーバーらしいタフな雰囲気を演出するだけでなく、塗装部分の面積を小さく見せ、ボディをクーペのように天地に薄く感じさせる効果も発揮している。
また、リアウインドウを寝かしながらもルーフ後端は下げず、後席の頭上空間を確保しているし、リアゲートを後方に張り出すかたちとして荷室も犠牲とはしていない。一見、思い切りスペシャルティ方向に振ったような艶めかしい姿ながら、実は機能性と高度に両立された、よく考えられたデザインには大いに感心させられた。
飛び抜けたものはないが全体のレベルは高い
マツダ3に続いて人間中心の考え方を推し進めたという最新のSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREの採用により、走りの仕上がりも非常に好印象だ。
ステアリング操作に対する応答が素直で、フィードバックも良好。思ったとおりのラインを自然に描くことのできるフットワークのよさは、何もワインディングロードなどに行かずとも、いつもの交差点を曲がるだけでも十分実感できるに違いない。
飛び抜けた何かがあるわけではないが、全体のレベルが非常に高く、とにかくナチュラル。気持ちのよい乗り味はマツダ3にも共通するものがあるが、CX-30はそれをより短いホイールベース、高い全高で実現しているところがポイントである。
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