女性に「無理しないで」と言う上司はなぜダメか 子育て&仕事に意欲的な「フルキャリ」の本音
上司による「配慮」は正直「もどかしい」
「子育て中の女性社員の場合、子どもが小さいうちは、子育てを優先できたほうがよいだろう」
「子育て中の女性社員に責任の重い仕事をさせることは重荷だろう」
「子育て中の女性社員であれば、さすがに仕事の質が以前より落ちてしまうのもやむをえないだろう」
このようなことを思ったことはありませんか。
筆者が実施した調査によると、男性管理職の約80%が「子どもが小さいうちは、仕事より子育てを優先できることが望ましい」「子育て中は、仕事量や経験が減ったとしても仕方がないと思う」と考えていることがわかりました。
最も筆者が驚いたのは、「子育て中は、仕事のアウトプットの質が落ちてもやむをえない」と思う男性管理職が実に50%を超えたことです。
男性管理職にとってみれば、子育てをしながら働く女性を慮ったうえでの考え、つまりよかれと思っての「配慮」であるということも理解できます。実際、「子どもが小さいうちは、仕事よりも子育てを優先したい」という考えを持ちながら働く女性も存在しますから、このような管理職の配慮に助けられ、心強く思いながら働く女性もいるでしょう。
ただし、働く女性のすべてがそうした配慮を望んでいるわけではないという事実も重要です。事実、フルキャリの約70%が、「子育て中だからと何かと配慮されることはありがたいが、仕事も頑張りたいので、もどかしいと思うことがある」と答えています。
子育てと仕事の両立に苦労している部下の姿を見た管理職が、よかれと思ってする配慮が、実は仕事も頑張りたいとするフルキャリにとっては、とてももどかしく感じてしまう。このような双方の思いの食い違いはなぜ起きてしまうのでしょうか。
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