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「一口だけ」のつもりが全部食べてしまう根因 スイッチが入ったように食べてしまうなぜ

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  • 羽田 克彦 国士舘大学准教授、クリニックハイジーア医師
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他方、血糖値を下げるホルモンはインスリン1種類のみです。幼い頃から1日3食糖質の多い主食を食べ、甘いものを食べ、ジュースを飲み、そうすることでインスリンを出してくれる膵臓が疲弊してしまうことがあります。

そして必要以上にインスリンが出てしまったり、出なくていいときにインスリンが出てしまったりして、結果としてこのような急激な血糖値の低下を招くことがあります(この血糖値が下がり過ぎた状態を低血糖と呼びます)。

素早く血糖値を上げる食べ物は糖質しかありませんから、低血糖になると異常に甘い物が食べたくなります。これは低血糖状態に陥り血糖値を素早く上げようとするホルモンの作用による可能性があります。そんなときに、自分の意志で食べることをコントロールなどできるわけがありません。

血糖値が下がりすぎるのも問題

血糖値が高すぎることが問題なのはよく知られていますが、血糖値が下がりすぎてしまうことも、同様に問題です。下がりすぎると体にとても大きな負担がかかり、異常な空腹感覚や過食欲求が出てきます。低血糖状態が続くと、最悪、昏睡状態に陥るなど命に危険が及ぶこともあります。

そして血糖値がどの程度まで下がるかについては、個人差が非常に大きいところです。血糖値の低下がそれほど大きくなければ、過食衝動やそれに伴う異常行動や症状もそれほど酷くないかもしれません。しかし、人によっては血糖値が50を切る方もいらっしゃいますから、本人も周りも大変です。

そしてこの症状は女性の生理前の過食衝動にも関係する可能性が考えられます。女性の体はホルモンに左右されており、月経から排卵日まではエストロゲンの分泌が優位ですが、排卵日から月経前の期間はプロゲステロン分泌が優位になります。

この女性ホルモンのプロゲステロンがインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)を上げ、血糖値が大きく変動しやすくなるため、とくに月経前になると無性に甘いものが食べたくなったり、食べるのが止まらなくなったりする可能性があります。

また、いわゆるストレスも血糖値を上げるホルモンの分泌を促すことなどによってインスリン抵抗性を上げ、低血糖状態を引き起こします。よくストレス解消のために過食することがありますが、これもまた低血糖と無関係ではありません。

ですので、血糖値はできるだけ安定させておくことが重要です。血糖値が緩やかに上がれば緩やかに下がり、下がっても約80~100のあたりをうろちょろするだけで済みます。

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【ストレスと過食の関係】

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