旭化成が踏み切った"旧体制"との決別 4月就任の新社長に権限を一本化

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「宮崎(輝)、山口(信夫)が長く代表取締役会長にいて、さらに代表取締役社長が併存する形で長くやってきた。特に、山口の時代までは、会長が人事権を持ち、社長が業務を執行する形だった。そこを変えようということだ」と伊藤会長は話す。

あさの・としお●1952年生まれ。75年東京大学薬学部卒業後、当社入社。2011年旭化成ファーマ社長などを経て、14年4月社長就任予定

旭化成は、中興の祖といわれる宮崎氏が1985年から1992年まで、日本商工会議所会頭も務めた山口信夫氏が1992年から2010年まで会長だった。山口氏は山本一元・元社長、蛭田史郎前社長、藤原現社長と3代の社長人事を決めていた。

「何かを決めたり、やろうとしたりするときに(会長と社長の)2人を見なければいけない。それはムダだからやめて、社長に権限を集中するワントップ体制にしたい」(伊藤会長)。

このタイミングで踏み切った理由は、今2014年3月期は過去最高益を更新する見込み(当期純利益860億円を計画)であることと、2015年3月期も現状より大きな経営リスクがないからだという。

今回の体制変更は、経営判断のスピードを早めるのが目的だ。ワントップとして名門企業の舵取りを託された浅野新社長。その重圧をはねのけ、さらなる成長へと結びつけられるか。

(撮影:今井康一)

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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