旭化成が踏み切った"旧体制"との決別 4月就任の新社長に権限を一本化
「宮崎(輝)、山口(信夫)が長く代表取締役会長にいて、さらに代表取締役社長が併存する形で長くやってきた。特に、山口の時代までは、会長が人事権を持ち、社長が業務を執行する形だった。そこを変えようということだ」と伊藤会長は話す。
旭化成は、中興の祖といわれる宮崎氏が1985年から1992年まで、日本商工会議所会頭も務めた山口信夫氏が1992年から2010年まで会長だった。山口氏は山本一元・元社長、蛭田史郎前社長、藤原現社長と3代の社長人事を決めていた。
「何かを決めたり、やろうとしたりするときに(会長と社長の)2人を見なければいけない。それはムダだからやめて、社長に権限を集中するワントップ体制にしたい」(伊藤会長)。
このタイミングで踏み切った理由は、今2014年3月期は過去最高益を更新する見込み(当期純利益860億円を計画)であることと、2015年3月期も現状より大きな経営リスクがないからだという。
今回の体制変更は、経営判断のスピードを早めるのが目的だ。ワントップとして名門企業の舵取りを託された浅野新社長。その重圧をはねのけ、さらなる成長へと結びつけられるか。
(撮影:今井康一)
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