スカイラインにNISSANのエンブレムが復活することについて、日本事業を統括する星野朝子副社長は「そもそもインフィニティがスカイラインを奪っていったと個人的には思っている。スカイラインは日産の車。オリジナルなポジションに戻ってきた」と話す。
今回の改良ではエンブレムのほかにも、フロント部分に日産車のデザインを象徴する「Vモーショングリル」が採用され、リヤ部分にはかつてスカイラインのアイコンだった「丸目4灯コンビネーションランプ」も復活した。
日産の最先端技術を真っ先に積んできた歴史を持つスカイラインに「プロパイロット2.0」を初搭載したのも、海外の「おさがり」だった直近の位置づけから脱却させようとする動きに見える。
西川体制による「日本回帰」の傾向
これは、海外市場での拡大戦略を主導したカルロス・ゴーン元会長が昨年11月に逮捕され、後を継いだ西川廣人社長率いる現体制が、これまで軽視されてきた日本市場を再評価しようとしている動きと無縁ではない。
西川社長は「投資の優先順位が世界市場に置かれ、日本には手薄な時期があった。日本の重要度を上げていきたい」と鼻息が荒く、最近の人事では日本人役員を重用するなど、「日本回帰」の傾向を強めている。
一方で、人口減少が進む国内市場は頭打ちの傾向が鮮明で、成長の源泉が海外にあることは事実だ。日本企業といえども、海外に経営資源を集中させることは合理的でもある。日産は刷新されたスカイラインの販売目標を年間2400台(モデルサイクル全体の平均)に置くが、2018年とほぼ同等の水準だ。国内重視の方針が説得力を持つためには、従来以上の実績が求められる。
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