九州初リッツ・カールトン福岡が大注目の理由

ホテル・オフィスが慢性的に不足する福岡市

福岡市では、天神ビッグバンについて再開発終了後の2025年に延べ床面積で2015年比約1.7倍の75万7000㎡、雇用者が約2.4倍の9万7100人、建設投資効果が2900億円、年間の経済波及効果が8500億円になると試算している。

「旧大名小学校跡地活用事業」の完成イメージ(積水ハウス提供)

7月8日、プロジェクトの西側部分「旧大名小学校跡地活用事業」の開発がスタートした。大手ハウスメーカーの積水ハウス、地元の有力企業である西日本鉄道、西部瓦斯、西日本新聞社、福岡商事などの参画によるものだ。

計画では2022年の完成を目指し、地上25階建て、高さ約111m、延べ床面積約9万0400㎡ のホテル・オフィスを含む複合施設を建設。これは天神ビッグバン全体でも最大規模となる。その注目点は大きく以下の3点だ。

「ザ・リッツ・カールトン福岡」が入る

第1点目は、九州初の「ザ・リッツ・カールトン福岡」(17~24階、全162室)が入ること。マリオット・インターナショナルが同ブランドにより国内で運営する7番目のホテルで、全客室が50㎡以上という福岡市にはこれまでにない高級さが売りとなる。

第2点目はオフィスの規模と質だ。ワンフロアの最大貸付面積は約2500㎡で、高いセキュリティー性を備えた、BCP(事業継続計画)対応のオフィスを整備するとしている。このようなハイグレードオフィスもこれまで天神地区には少なかった。

第3点目は、創業支援・人材育成のための拠点づくりだ。元々、福岡市では旧大名小学校校舎に創業支援施設「Fukuoka Growth Next」を設けるなど、この分野での支援を強めていた。

「Fukuoka Growth Next」の内部の様子。小学校の校舎をリノベーションしたものだ(筆者撮影)

今回の計画では、旧南校舎の一部にこの施設を残したうえで、計画地の西側にコミュニティ棟(11階建て)に企業の成長をバックアップするコワーキングスペース、イベントホールなどからなる施設を設ける。

オフィス入居企業などとの交流を促進することで、創業支援とそのための人材育成に注力する構えだ。このほか、コミュニティ棟に地域の自治会施設や保育施設、学校のグランド跡地を活用した広場を設け、上記3点を含めた相乗効果による多様な交流拠点づくりを進めるとしている。

ところで、「旧大名小学校跡地活用事業」は、JR九州をはじめとする企業グループとの競合の末、積水ハウスや西日本鉄道などのグループが優先交渉権を勝ち取ったわけだが、勝因はリッツ・カールトンの誘致、大規模な床面積を持つハイグレードオフィスの設置を盛り込んだ点にある。

それは事業の開始に当たり開催された発表会の席上で語った高島宗一郎市長の言葉に十分反映されている。市長は、近年の福岡市の状況について以下のように話している。

「G20サミット(主要20カ国・地域首脳会議、6月28日と29日に大阪市で開催)は当初、福岡市で開催される予定だったが、最後はホテルの問題などがネックとなり回避され、結局、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されるにとどまった」と。

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