10年周期?「トイ・ストーリー4」こうして出来た 作品プロデューサー「3の頃から温めていた」

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――そもそも本作を最終章と謳っていますが、今後「5」をつくるということはないのでしょうか。

実際に観てくれた人のリアクションは、人によって全然違う。興味深いことに、半分くらいの人は「もうこれで終わりなんだね」と言ってくれるし、残りの半分の人は「これから始まるね」と言ってくれる。

どうしてそこまで反応が違ってくるのか。僕たちは、ウディとバズの物語をここで完結させよう、という形でこの映画を作ったんだ。だからもしこれが最後の作品になったとしても、ウディとバズの物語としては非常に満足している。でも将来のことはどうなるか分からないけどね(笑)。

2年で3作品がピクサーの製作ペース

――これだけ世界中でヒットしているわけなので、配給のディズニーとしても黙っていないのでは?

それは分からない(笑)。でも実は今、(今年11月に米国でサービスが開始予定となる動画配信サービス)「Disney+」で、(『トイ・ストーリー4』の劇中に登場した新キャラクター)フォーキーの短編を作っている最中なんだ。

――フォーキーの短編はどんな風になるんですか。

「フォーキー・アスク・ア・クエスチョン(原題)」(フォーキーが質問する)というタイトルになると思う。ボニーの部屋が舞台で、『トイ・ストーリー4』の物語が終わった後の世界が舞台なんだ。フォーキーは、自分が生きている世界を知らない。彼にとってはものすごく新しい出来事なんだ。分からないから、いろんなことを質問するというわけ。

――新しい手作りおもちゃのフォーキーはもともと、ゴミから作られたおもちゃですからね。

そう。彼は「愛ってなんなの?」「お金って何?」「芸術って何?」といった質問をしていく。その他にも「チーズって何?」という質問もあるんだ(笑)。

Mark Nielsen/1996年にピクサーに入社。『トイ・ストーリー2』『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』などにクリエーターとして参加。初期の頃からピクサーを支えてきた。本作で長編映画プロデューサーとして初のクレジットとなった (編集部撮影)

――楽しみですね。今、でピクサー作品はどれくらいのペースで作品作りを行っているのでしょうか。

今は2年おきに、平均3作くらい発表できるようにという風に心がけている。2年で3作というと、8カ月くらいで1本ということだけど、それくらいの周期で映画の企画を出しているということになるね。

――『トイ・ストーリー4』は制作に5年くらいかかったそうですが、制作も含めると、企画から公開まではどれくらいかかるものなのでしょうか。

アイデアを出してから最終的に作品として公開するのは、平均して4年から7年くらいはかかるかな。だから先ほど言ったとおり、2年おきに3本くらいリリースするために、それに合わせて企画や制作を進めている。仕込んでいる作品の数で言うと、自分が抱えているのは、今7本くらい。忍耐強くやらないといけないんだよ(笑)。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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