参院選、野党の選挙公約の何が問題なのか

財源の裏付けなき「バラマキ公約乱発」の罪

ただ、実現可能性は別にして、共産党と社民党は議論の叩き台となる財源案をはっきり示している点は評価できる。問題は、②のあいまいな財源プランにとどまる立憲民主党や国民民主党、日本維新の会だ。

立憲民主党は、「介護・医療・保育などでの賃上げ」「農業者戸別所得補償」「年金の最低保障機能導入」「公立小中学校の給食無償化」などの公約を打ち出す。社会保障・経済政策の分野では全14項目中、12項目が新たな財源を必要とするものだ。にもかかわらず、これらの支出額は一切示されていない。合計でいくらの財源が必要になるのか、消費増税を凍結したうえで、どんな財源案を考えているのかなどはまったく示されていない。

「家計第一」をスローガンに掲げる国民民主党も同様だ。こちらも「児童手当増額」や「低年金者対策」「家賃補助」「農業所得補償」などを打ち出し、国民が受け取る給付額がどれだけ増えるかは詳細に説明するが、トータルの支出額や必要財源額は示していない。選挙公約でのそれらしき財源案は「所得再分配機能の回復を狙った金融所得課税の強化」とあるだけ。具体的な金額を伴った記述はゼロだ。

財源案なき国民民主のベーシックインカム

7月3日に開かれた日本記者クラブの7党党首討論会で、立憲民主党党首の枝野幸男代表は「(公約を実現する)財源は法人税、金融所得課税。税の累進制を強化し、ゆとりのある方から納めていただく」と述べた。であるなら、同党のアイデアがどこまで現実に耐えられるものとなるのか、有権者が判断できるよう、共産党や社民党のように具体的な金額を伴う財源プランを示すべきだろう。

国民民主党の玉木雄一郞代表も「月7万円を保障するような年金制度にしようとすれば、消費税換算で4~6%分くらい必要になる。(中略)企業の内部留保が非常に高いと言われる中、法人税を上げていくことが必要。加えて教育、子育て、科学技術などは『こども国債』『未来投資国債』という国債を発行しても速やかに拡充すべきだ」と討論会で述べた。しかし、財源確保についてはどこかひとごとのようだ。

国民民主党は今回の選挙公約とは別に、全国民を対象とした「日本版ベーシックインカム構想」も打ち出している。おそらく数十兆円単位の財源が必要となるベーシックインカムで財源プランを提示しなければ、政策案とは言えないが、同党はそのことを認識しているのだろうか。

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