参院選、野党の選挙公約の何が問題なのか

財源の裏付けなき「バラマキ公約乱発」の罪

野党の公約を分けると、①具体的な財源プランを提示②あいまいな財源案③財源は国債増発、の3つにグループ分けできる。

①に該当するのは共産党と社民党だ。共産党の選挙公約には「介護・保育労働者の月5万円の賃上げ」「国民保険料の引き下げ」「低年金の底上げ」「大学・専門学校の授業料半減」「幼児教育・保育の無償化」など、財政支出拡大策が並ぶ。

これらの支出総額は合計7.5兆円。その財源として、「所得税の最高税率の引き上げ・控除の見直し」(1.9兆円)、「富裕層優遇の証券税制の見直し」(1.2兆円)、「大企業向けの研究開発減税の廃止」(0.67兆円)などを示している。

月5万円の最低保障年金実現には5兆円が必要だが・・・

むろん、この財源案への反論はあるだろう。例えば、所得税の最高税率見直し。これを実現するには、課税所得4000万円以上(最高税率45%に該当)の税率を100%にするだけでは足りず、課税所得1800万円以上についても大幅増税する必要がある。共産党の選挙公約にはそこまで具体的なことは書かれておらず、「大企業と富裕層に応分の負担を求める」と記されている。

さらに、共産党が中長期的に導入するという「月額5万円を保障する最低保障年金」の実現には、別途5~6兆円の財源が必要になるという。これは「大企業や富裕層の優遇税制をただすだけでは確保できません」と正直に告白しているが、かといって具体的な財源策も示していない。

社民党は「幼児教育・保育の無償化」「高等教育の無償化」「低年金対策」などに合計5.7兆円(消費税2%相当)が必要だと明示。この財源は、法人課税で2.4兆円、所得課税で1.1兆円、歳出見直しで2.2兆円を確保するという。

社民党の財源案にはおかしな点もある。歳出見直しの中に「ポイント還元・プレミアム商品券など消費増税対策の凍結で1.2兆円を捻出する」とあることだ。これは1回限りの支出カットであり、毎年必要な社会保障の恒久財源にならない。また、児童手当の拡充や年金給付の改善など、財源がはっきりしない選挙公約も混在している。

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