戦争発言の丸山氏、なぜ辞職させられないのか 自民党は及び腰、勧告決議に強制力もなし
北方領土返還問題に絡めて「戦争」に言及した丸山穂高衆院議員(大阪19区、日本維新の会から除名)が議員辞職に抵抗している。
今回の丸山氏の言動には、与野党を問わず「完全に一線を超えている」「国会議員として非常識極まりない」などと非難ごうごうで、議員辞職を求める声が支配的だが、当の丸山氏は「辞職拒否」を貫く構えだ。
丸山氏本人は「居座り」を宣言
維新の松井一郎代表(大阪市長)は「早急に潔く身を処すべきだ」と語気を強めるが、丸山氏は自らのツイッターで「(辞職勧告決議案が)可決されようがされまいが、任期を全うする」と居座りを宣言した。
決議可決でも丸山氏が議員を辞めなければ、同氏への議員歳費支給など多額の税金投入を余儀なくされる。同氏は「今後も政策実現に邁進する」と主張しているが、「誰も彼の政策提案など受け入れないはずで、税金泥棒のそしりは免れない」(維新幹部)のが実情だ。このため、国民の激しい批判の中で、決議案が宙ぶらりんとなれば「暴言議員の始末もできない国権の最高機関」(有識者)として国会の機能不全も問われそうだ。
多くの国民を唖然とさせる「戦争」発言が飛び出したのは11日。丸山氏は北方四島ビザなし交流の訪問団に、衆院沖縄北方問題特別委員会の委員として参加した。一連の公式行事が終わった同夜、国後島の施設「友好の家」での懇親会中に、元国後島民の大塚小彌太団長に対し、いきなり「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと質問。「戦争はすべきではない」と困惑する団長に、「戦争しないとどうしようもない」などの発言を投げつけた。丸山氏は酒に酔っており、その後も大声を出し続けたとされる。
現場に居合わせた訪問団員らから抗議を受けた丸山氏は、北海道・根室港に戻った13日の記者会見で「団長に考えを尋ねただけだ」と釈明。騒ぎが拡大した同日深夜には「心から今回の発言について謝罪し、撤回する」と頭を下げた。ただ、議員辞職については「党と相談する」とかわし、翌日には維新に離党届を提出した。
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