輸出規制強化で「韓国半導体」は大打撃なのか 対象品目狭く、抜け穴もあって影響は限定的
日本政府は7月4日、韓国向けの半導体や液晶材料について輸出規制に踏み切った。
対象となるフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素の3品目を韓国に輸出する際に、契約ごとに輸出許可申請が必要になる。これまでは、一度申請すれば3年間は申請なしで輸出することができる包括許可方式だった。
対韓輸出規制によって韓国経済は窮地に?
「日本からの輸出停止で、韓国の基幹産業である半導体産業は窮地に追いやられる」
輸出規制の影響について、こんな見方が広がっている。日本政府が輸出規制に動いたのは、戦時中に朝鮮半島から動員された元徴用工への補償問題で韓国側の対応が十分ではなく、日韓両政府の信頼関係が「著しく損なわれた」(世耕弘成・経済産業相)ことが原因だった。
7月4日から規制は発効したが、経済産業省によると5日までに大きな混乱は起きていない。港からの出荷ごとではなく契約ごとの申請のため、多くの企業が「まだ最初の手続きをしていない」(フッ化水素を製造する昭和電工)。業績への影響も「実際に手続きを進めてみないとなんとも言えない」(レジストを製造するJSR)と様子見の状態が大勢のようだ。
輸出規制が韓国の半導体産業に本当に壊滅的な打撃をもたらすのか、懐疑的な見方も広がっている。
対象となる品目は、日本企業が圧倒的な世界シェアを持つ。中でもレジストは9割にのぼる。もしこれがすべて輸入できないとなると、半導体売上高で世界1位のサムスン電子や、同3位のSKハイニックスにとっては大打撃になる。半導体産業が壊滅すれば、韓国経済に深刻な影響をもたらすことは必至で、韓国政府に対する強い圧力になることは間違いない。
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