「LINEの管理がゆるい人」を襲う厄介すぎる事態 「多額の現金」を騙し取られた被害者もいる

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当然、これはかなり危険な行為だ。LINEでつながると通話もできてしまう。もし悪意ある大人などとつながってしまえば、甘い言葉で誘い出されて犯罪被害に遭う危険性もある。

また、2018年8月には消費者庁が、「毎月最低30万円分のビットコインを受け取り続けられる」というLINEメッセージの誘い文句で消費者から多額の現金をだまし取る事業者についても注意喚起している。

LINEでのやり取りは、他人から見えないため被害に巻き込まれても外からは把握しづらい。精神的な距離が近くなり相手と親しくなりやすい面もあるために、こうした犯罪被害が後を絶たないのであろう。

LINEを乗っ取られる人の盲点

LINE乗っ取りと聞くと、「過去の話」と思う人もいるかもしれない。しかし、今も乗っ取りは頻発している。さらに現在ではメッセージのほか、QRコード決済などもできるようになり、乗っ取られた場合の被害は以前よりも拡大している。

乗っ取り被害の発端となるのは、運営元であるLINE社をかたるフィッシングメールだ。「お客様のLINEアカウントに異常ログインがありました」などとうたったメール内のURLをタップすると、LINEのログイン画面が表示される。これは本物そっくりに作られた偽サイトであり、IDやパスワードを入力してしまうとアカウントを乗っ取られてしまう。

こうした被害を防ぐため、LINE社は2016年2月から「2段階認証」を導入している。ログイン画面で正しいメールアドレスとパスワードを入力すると、登録した端末にSMS経由で認証番号が送られてくるようになった。認証番号を入力すれば、無事LINEアプリにログインできるという仕組みである。

ところが、それでも乗っ取り被害は収まらなかった。ある日、突然「携帯電話番号を教えて。そしてLINEの確認メッセージを認証してもらえる?」というメッセージが友人・知人から届き、4桁の認証番号を教えてしまい、アカウントが乗っ取られるユーザーが多発したからだ。

これは、なりすましで個人情報を聞き出すいわゆる「ソーシャルエンジニアリング」手法だ。SMS認証番号は絶対に他人には教えてはならない。

LINE社は乗っ取り被害を防ぐために、2016年から「2段階認証」を導入した(筆者撮影)

被害に遭わないためのコツはいくつかある。いつもと違う端末からログインがあった場合、LINEアカウントから通知が来る。この通知を必ず確認し、覚えがないログイン履歴があった場合はパスワードを変えるなどの対策をとったほうがいいだろう。

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