修学旅行生が東京で学ぶ「パラ運動会」の醍醐味 行事の1つとして中高生が体験する狙いとは?
プログラムの最初は、アイマスクを着けて視覚障害者の体験をする。見えない状態で仲間を見つけていく。つい手を上げてしまうが、相手にはわからないので、声を出し、肩を組んで固まっていく。
目が見えない体験をした後、「普段、目の不自由な方に声をかけるときは、時計に見立てて『何時の方向』とか言うとわかりやすいですよ」というアドバイスを受けたが、見えない体験した後だけに、腑に落ちる。
次に「シッティングバレーボール」を行った。シッティングバレーボールは、その名のとおり、座って行うバレーボール。1956年に戦争によって体が不自由になった人のためにオランダで考案された、パラスポーツの原点ともいえる競技。2020年東京パラリンピックでも行われる。
6人制でコートは通常のバレーボールより狭く、ネットの高さも低い(男子1.15メートル、女子1.05メートル)が、ルールは基本的には同じ。
座った姿勢でプレーし、サーブ、スパイク、ブロックのときは、お尻を床から離すと反則になる。片方の足を曲げ、片膝を立てたあぐらのように構えて、手は後ろにつき、前後左右に素早く動くことが要求される。体勢が決まっているので、健常者も一緒に楽しめるスポーツでもある。
パラスポーツならではの気づきを体験してほしい
「周囲の応援が力になりますよ」というアドバイスも必要がないほど、さすが中学生、対抗戦とあって応援合戦も盛り上がりをみせる。
車いすを使ってのポートボール、最後には車いすでチーム対抗のリレーとプログラムが進んでいく。
車いすポートボールでは、車いす同士でのぶつかり合いもあった。車いすリレーでは、引き継ぎの際に周りのみんなが協力して向きを変えたり、乗り降りの手伝いをするようになっていく。
通常のスポーツ以上に、パラスポーツはコミュニケーションや助け合いが必要。そうしたことに気づいてもらうのが運動会の目的の1つでもあるが、中学生の柔軟さですぐに気づき、工夫し、実行していく。あっという間にプログラムが終了した。
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