修学旅行生が東京で学ぶ「パラ運動会」の醍醐味 行事の1つとして中高生が体験する狙いとは?

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体験した生徒たち。「思ったより難しかった。パラスポーツの選手はすごいと思った」「車いすが難しい。車いすバスケットもやってみたいと思った」「普段体育でバレーボールをしているけど(シッティングバレーボールは)座ったままだと上半身をうまく使わないとだめだと思った」「目隠しするとだれがどこにいるのか、近くにいても全然わからない。学校ではできない体験で楽しかった」。

外交辞令でないのは表情でもわかる。それぞれ、何かを見つけたようだ。

教育委員会でもオリ・パラ教育を進めている

自身も車いすリレーの教員チームに参加した松永博司校長は同中就任1年目で「去年までは1日班行動でしたが、半分の時間を使ってパラスポーツの難しさや面白さ、競技に全力で取り組む選手の努力を実感してほしいと思いました。

車いすリレーで盛り上がる生徒たち(筆者撮影)

安城市の教育委員会でもオリ・パラ教育を進めています。クラスも4月に新しくなったばかりなので、この体験を通してさらにいい雰囲気になった。思ったとおりの狙いが実現できたと思います」と、クラスごと、チームごとの「結束ぶり」に目を細める。

「学年全員で集まって、絆を深めるという目的は達成できた。視野を広げることができたと思います」と豊岡学年主任も効果を実感していた。

生徒たちは着替えると、すぐに数人の班になって「お台場に行きます」などと、散っていった。

修学旅行で神社仏閣を見て歴史を学ぶのもいいが、パラスポーツの運動会というのは、2020年に向けて生きた経験になるとともに、神社仏閣巡りをするのとはまた違ったよい思い出になったはずだ。

これから秋の修学旅行シーズンがくる。パラスポーツ運動会プログラムは、あすチャレ!運動会事務局から申し込むことができる。来年でも、パラリンピックが終わった後でも、経験の価値は変わらない。いい「修学」になるだろう。

赤坂 厚 スポーツライター

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あかさか あつし / Atsushi Akasaka

1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON全盛期、岡本綾子のアメリカ女子ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球巨人、バルセロナ五輪、大相撲などを担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスク、2012年に同新聞社を退社。著書に『ゴルフが消える日 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか』(中央公論新社)。

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