上記の(2)と(6)に関連して、つまりはリブラを通じたビッグデータを利用したマーケティングを解毒できれば、リブラのその他の属性は、ユーザーにとって無害であるか、うまく付き合う方法があるものであり、総合的には有益なものだと思われる。
フェイスブックのリブラおよびリブラを使う諸々を規制しても、他の業者やサービスは、個人の情報を持とうとするだろうし、そのための技術は日進月歩で進んでいる。個人が自分の経済行動の大半を他人に知られる状況は遅かれ早かれ訪れる。それを少々遅らせるよりは、むしろ加速させつつ、これに適応することを考えるほうが賢いのではないか。
端的に言って、リブラの普及を邪魔しても、中国の、アリペイを擁するアントフィナンシャル、ウィーチャットペイを持つテンセントなどに対して、その他の企業や社会が技術的にひどく遅れていくだけのことだろう。
アントフィナンシャルVS.フェイスブック
個人や企業にとっても、国にとっても、新しい技術に対しては、これを規制するよりも、有効に利用しようと考えることが現実的な戦略だ。規制すると、進歩が遅れ、その間に誰かが一時的な利益を得る。技術がすでに存在する以上、その利用を止めることはできない。
今のところ総合的に見て、最も強力なデジタル金融企業は中国のアントフィナンシャルだろうが、個人のデータを既に豊富に持っている点と国際的な広がりを持っている点で、フェイスブックは有力なチャレンジャーだ。
もちろん、両社共に短期間で成り上がってきた企業であることを思うと、新しいプレーヤーにも十分チャンスがあるはずだ。
ユーザーとなる個人の側では、その時々にあるものを賢く使いたい。筆者はリブラの登場を楽しみにしている。
(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)
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