東大生が断言!地理は「考える力」を爆上げする なぜ東大生には「地理好き」が異常に多いのか
東大生に「地理推し」が多いのは、地理という科目が「教養の源泉」になるからです。実は、世の中で起きていることは、地形や気候にその原因があることも多いのです。
「食文化」から「現代政治」まで地理で読み解ける
例えばみなさんはソーセージを食べるでしょうか? 実はドイツでソーセージがよく食べられるのは、ドイツの気候が寒いことが遠因になっていると考えることができるのです。
ドイツは寒冷な気候の土地が多く、ドイツ北部にある都市ミュンヘンは、1月の平均気温がマイナス5度にまで冷え込みます。冬は厳しい寒さで雪も降りますし、夏もそれほど気温が高くなりません。
そして気温が低い地域というのは、土地が痩せていることがあります。ドイツでは昔、氷河という年中解けない大きな氷の塊が土地の上を覆っていました。
今よりもずっと寒かった氷河期、今でも寒いドイツを含む北ヨーロッパは、氷河という氷で覆われていたのです。そして、基本的に氷河で覆われている地域は、土地が肥沃でなくなるという特徴があります。氷河が土地の表面を削り取って、肥沃な土壌が奪われるからです。だからドイツの北部には、肥沃な土地が少ないのです。
そういうわけで肥沃な土地が少ないドイツ北部では、「混合農業」という農法を取り入れます。大雑把に言えば、家畜と農作物を同時に育てることで、土地の栄養が低くても安定的に収入を得る農法です。
家畜を育てるためには土地の肥沃度はそれほど重要ではありませんから、肥沃な土地が少ないドイツ北部でも何の問題もなく家畜を育てられます。むしろ家畜の糞は土地の生産性を高めるいい肥料になることもあります。
農作物も、人間が食べるものだけではなく、家畜の食べる飼料として作っていてもいいわけです。栄養が少ない土地でも育つ芋を農作物として育てるドイツでは、豚を家畜として選んでいました。豚は何でも食べる動物で、ジャガイモの皮だったり、デンプンを取った後に出てくるかすなども食べてくれるのです。
そして、ドイツでは冬に入る前に豚をさばき、肉として保存する必要がありました。冬の厳しい寒さの中では豚は食べるものがなくて餓死してしまうからです。冬に入る前に大量の豚をさばき、長期的に保存できる形態にしておく……そのために、ソーセージという食べ物が生まれたのです。
このように、地形や気候を理解することで、身の回りにあるものの成り立ちや原因を知ることができます。地理を勉強しておくと、世の中のいろんなことに説明をつけることができるのです。
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