安倍首相は無謀なアマゾン開発に突っ込むのか

ブラジル・ボルソナロ大統領の思惑とは

ブラジルのボルソナロ大統領との会談で、レアメタルの開発を持ちかけられた安倍首相(写真:Jorge Silva/ロイター)

6月28日から2日にわたった20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)。この間、安倍晋三首相は複数の首脳と会談を行ったが、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領とはレアメタルの一種であるニオブなどの開発について協議したことを、ボルソナロ大統領が自身のツイッターで明かした。

ボルソナロ大統領は、日本に出発する前も自身のフェイスブックに「日本の首相と個別に会談を持ってアマゾン地帯の生物多様性の開発を共同で行うための合意を提案する予定だ」と、投稿していた。今回、開発についてどのような内容が話し合われたかの詳細は不明だ。

森林破壊の速度が増している

ボルソナロ大統領は以前からアマゾンの開発に積極的な姿勢を見せているが、世界最大の熱帯雨林であるアマゾンをブラジルが十分に保護していないという批判が世界から上がっている。これに対して同大統領は、「ブラジルがアマゾンを破壊しているという指摘は、われわれを批判するための外国の組織や裏切り者による策謀だ」とし、「私が大統領である限り、そのような破壊が行われることはない。安心してほしい」としている。

ところが、複数の環境保護組織の調査によって、ボルソナロが大統領就任前の2018年5月には1時間当たり10ヘクタールが破壊されていたのが、今年1月1日のボルソナロが大統領に就任した後の5月には1時間当たり19ヘクタールが破壊されたということが明らかにされている。

ボルソナロがアマゾンの環境保護という点において「危険人物」だとされているのは、大統領にとって環境保護は優先すべき政策ではないと見られているからだ。また、ボルソナロ大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領を崇拝しており、トランプ大統領が環境汚染による気候変動を否定していることから、ボルソナロ大統領も同様の考えを抱いている。

この考えの延長線上で、ボルソナロ大統領は「われわれは人口2億人の国で、成長しているものとして農業ビジネスと家族農業がある。その成長を阻むことはできない」と、SNSで表明したことがある。そしてその成長のカギを握っている、と同大統領が見ているのがアマゾン地帯なのである。ボルソナロ大統領は以前にも、アマゾンの生物多様化の開発のために、高度なテクノロジーを持った先進国と組みたい表明したことがある。

大統領選挙中に対立候補のフェルナンド・アダジ元サンパウロ市長は「私のライバルが選ばれれば、それはアマゾン地帯の崩壊の始まりだ」と指摘していた。もっとも、アダジ氏と同党のルラ元大統領とルセフ前大統領の13年続いた労働者党政権下でも20万m2以上が破壊されているので、ボルソナロ大統領だけが破壊者なわけではない。

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