渋谷パルコは1973年の開業後、最先端だったDCブランドなどを集め、駅から少し離れた坂の上の立地にありながら、感度の高い若者がこぞって訪れるスポットだった。パルコに続く公園通りには若者が多数集まり、周辺の神南地区に大手セレクトショップが路面店を続々と出店。渋谷パルコの存在は、渋谷エリアが若者ファッションの流行発信地になるうえで大きな役割を果たした。
「今はファッション好きが満足できるリアルな場所がなくなった」。牧山社長は新生・渋谷パルコでファッションを前面に押し出した理由について、こう話す。渋谷パルコはパルコのイメージを象徴してきた代表的な店舗。それだけに、同店舗でファッションへのこだわりを貫くことにより、ブランド戦略においてほかの商業施設との差別化を図る狙いだ。
逆張りで「ファッション強化」を掲げた渋谷パルコに、多くのアパレル関係者が期待を寄せる。ただ、思惑通りの結果が出るかどうかは不透明だ。足元では、慢性的なアパレル不況やネット通販の拡大が続く。インスタグラムなどSNSの浸透で情報収集の手段が多様化し、かつての渋谷パルコのように、トレンドをつかむために特定の店舗を訪れるといった消費者の行動パターンも少なくなっている。
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