中国より後れている日本の再生エネルギー政策

「名ばかり環境先進企業」が多すぎないか?

(2)SDGs

前出のように、SDGsは「Sustainable Development Goals」の略だ。2016年から2030年の間に達成を目指す「国際目標」で、内訳は17の目標と169のターゲットからなる。日本政府は「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部を立ち上げ、8つの分野に分類。そのうちエネルギーに関して、すでに「SDGs推進本部」を立ち上げている。そのうえで「環境モデル都市」「環境未来都市」「SDGs未来都市」を選定して、活動している。

(3)RE100

英国に本部を置く国際的なNGO「The Climate Group」が2014年に開始した行動基準で、加盟企業は事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる。RE100とは「Renewable Energy 100%」の頭文字をとって命名されたもの。

2019年2月中旬時点で、世界全体で164社が加盟している。この164社には、スイスのネスレ(食品)、スウェーデンのイケア(家具)、NIKE(靴、アパレル)など世界のリーディングカンパニーが名を連ねる。日本でも丸井やコニカミノルタのほか、建設、不動産関係の会社も複数社加盟している。

参加するなら「CO2」を半分以下に減らす覚悟が問われる

(3)について補足すると、定義そのものは「事業運営を再生可能エネルギー」で行うことが目的だが、そもそも建設される住宅や関係する不動産が、省エネルギー化され、再生可能エネルギーで賄えなければ「本末転倒」のはずだ。そうした社会を実現するために、会社の運営から再生可能エネルギーで行っていこうという趣旨だからである。

以上3つの分野を解説したが、最近は、この3つについてHPなどで「私たちは一生懸命取り組んでいます」といった宣伝を積極的にしている企業も増えてきた。だが、そうした企業や自治体が本当に取り組んでいるのか、甚だ疑問に感じる場面も少なくないのだ。なぜそう思うのか。一言で言って、実が伴っていないからだ。

端的にいって、「一生懸命取り組んでいます」という会社の活動で使うエネルギーをかなりの割合で減らし、再生可能エネルギーに切り替えていかなくてはいけない。「かなり」と書いたが、どの程度か。実際には「CO2を半分以下に」減らす必要がある。

実際、現在使っているエネルギーを、そのまま再生可能エネルギーに置き換えるのはかなり無理がある。再生可能エネルギーの導入コストを検討すればわかるが、その費用は膨大だ。いきなり、そんなことはできないのだ。まずは、十分に圧縮すること、それに尽きる。それができて初めて、新しい投資を考えるべきだ。

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