LCCピーチ「他業界出身のCA」を生かす3ステップ 「看護師、旅館の女将」など多様な人材を採用

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「寄り合い」「大喜利」「P1グランプリ」に加え、最近では「部門横断型」の企画立てや課題解決を継続的にしているとのこと。いわゆる「クロス・ファンクショナル・チーム」(CFT)による企画や方策の立案と実行です。

ほかにも、2019年から、背もたれがリクライニング状態に固定された新型シートのPeach機が登場しましたが、これは本社で働く20~30代の女性社員を中心に間接部門のスタッフが実際に本社に設置された候補シートに座って検証し合ったそうです。

それぞれの人の力を発揮させるPeachのやりくり

他の業界から来た人が活躍できる、こうした方法は、他の多くの職場や会社でも活かせるものだと思います。もちろん、あなたがいる職場でも。そして、あなたがどんな立場であっても……。

まず、あなたが長らく勤めている社員であり、中途社員、新入社員、新入りのバイトさんなどを迎える立場だとすれば、「その人が何をしてきたか」「自分の仕事のために学べることはないか」を探り、実際に話を聞いたり教えてもらうことです。きっと自分の仕事の幅や深みをもたらすでしょうし、相手とのよい関係も芽生えることでしょう。

次に、あなた自身が他の業界から来た本人だとしたら、新たな職場での企画の立て方や話のもっていき方を探りつつも、これまでの経験を活かすことにも積極的であってよいのではないでしょうか。

また、時が経ち、新しい職場になじめたとしても、自分のなかの「染まっていない部分」をいつまでも大切に保ちつづけることは重要ではないでしょうか。Peachの社員たちも前職のキャリアをうまく仕事に活かしています。

そして、あなた自身が、仕組みをつくれる立場にいる方であれば、ぜひ染まっていない社員やスタッフの新鮮なアイデアを活かすための方法を考え、実行に移してみてはいかがでしょうか。いきなりの制度変更は無理があるとしても、小さな仕組みと小さな成功例から始めることはできると思います。

漆原 次郎 フリーランス記者

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うるしはら じろう / Jiro Urushihara

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、科学技術関連の記事を寄稿。また、エアライン企業をはじめとするさまざまな企業の風土や働き方などを取材し、記事や書籍を通じて伝えている。早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム修了。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社刊)など。

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