「MBAを取っても残念な人」がハマる3つの勘違い 見失うとヤバい「もっとも大切な学び」は何か

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ですから、MBAを何かすばらしい奇跡のツールと勘違いして「MBAさえ取れば、すぐに出世ができる! 世間に認められる!」と思っている人は、MBAを取っても残念な人になる可能性が高いでしょう。

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例えば、現在の会社で、「なぜか周りの人に認められていない!」「同僚が先に出世したのはMBAをもっているからだ!」「MBAさえ取れば周りに自分の力を見せつけることができる!」と考えていたとして、ビジネススクールに通い苦労してMBAを取ったとしても、同僚には「へえ、MBA取ったんだ、それで……」と言われて終わりでしょう。

MBAが評価されるかどうかは企業によるところもありますが、例えば、なぜ管理職になれるのか、なぜ出世できるのかについて考えてみてください。

あなたが上司であるとして、どんな人を管理職にしたいでしょうか。MBAをもっている人といない人と比べたときに、MBAが有利に働くこともありますが、それは、その人の他の面も考慮してのこととなるでしょう。

管理職を選ぶのは上司であり、幹部であり、「人」です。したがって、いくらMBAをもっていても、その人が多方面から見て管理職にふさわしい、または、人として期待できる、もっと言ってしまえば、一緒に仕事をする仲間として好感をもたれなければ選ばれません。

したがって、MBAを取れば管理職になれる、出世や収入アップを期待できるのではなく、MBAを取る過程で「管理職にふさわしい人格と能力」を身につける必要があります。

MBAには「知識」以上の学びがある

勘違い②:MBAでは「知識」さえ習得すればいい

では、「管理職にふさわしい人格と能力」とは何でしょうか。「MBAさえ取れば成功する」とは思っていない人でも、「MBAで重要なのは、経営戦略やマーケティングなどの『知識』だ」「MBAの知識を使って上司やステークホルダーと対等にやり合える」と勘違いしている人もいます。

もちろん、MBA用語や知識は非常に重要な基礎ですが、MBAで身につけるべきことのほんの一部にすぎません。

MBAの授業の中ではグループワークが多くあります。とくに海外のMBAでは、国籍も言語も文化も違う多様性に富んだ方々とディスカッションをしながら1つのプロジェクトをまとめていきます。これら多様な方々とディスカッションができる授業はMBAの醍醐味の1つであり、これからのビジネス世界を生き抜くために非常に有意義な体験となるでしょう。

その中ですばらしいなと感じる人は、言語が違ってもわかるものです。メンバーへの気遣いがあり、率先して困難な課題を引き受け、リーダーシップをもってまとめていける人。そのような人は、個の集合体である組織をリードするための大切なスキルを持っている人と言えるでしょう

逆に残念なケースの一例としては、「自分が自分が」と前に出すぎるか、またはプロジェクト中ではあまり貢献していない(フリーライダー的な)のに、おいしいところ(クレジット)だけ持っていく人。いくら知識を詰め込んでも尊敬や信頼関係構築にはつながりにくいかもしれません。

このようなプロジェクトの体験は、そのまま組織でも適用できるのではないでしょうか。

組織の中で、「SWOT分析が……」「アンゾフのマトリクスが……」とMBA用語を駆使して上司とやり合っても、周りが認めてくれるとは限りません。それよりも、MBAの授業や組織のなかで、どんな人がメンバーに認められるのか客観的に観察し学ぶことが大切です。その経験を活かし、管理職としてふさわしい人になることでMBAの知識を最大限に活かすことができます。

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