「MBAを取っても残念な人」がハマる3つの勘違い

見失うとヤバい「もっとも大切な学び」は何か

勘違い③:MBAを取れば「起業家」として成功できる

3つ目の勘違いは、「MBAを学べばすぐにリーダーシップが身につき、起業家としても成功する」という勘違いです。MBAホルダーには、楽天の三木谷社長など有名な経営者や起業家が多くいます。そんな経営者に憧れ、MBA取得を決意する人もいるでしょう。

確かに、MBAの授業では、経営のための基本的な理論やツール、フレームワークを多く学べるため、それが経営に役立つのは言うまでもありません。MBAの経営に関わる基本的な理論は、自身が起業したり、経営したりする際の拠り所として多いに役立つでしょう。

しかし、成功している起業家はMBAをもっているから成功しているのではなく、MBAプラスアルファの何か――人脈や人徳、コミュニケーション能力、知性、経験――を持ち合わせているからこそ成功できているのです。中には、MBAホルダーでなくとも成功している起業家も少なくないことに鑑みると、MBAだけでなく、後者のスキルのほうが本質なのかもしれません。

したがって、MBAプログラムを卒業すればすばらしい経営者になれるのではなく、MBAを通して得られた学びを個々の環境で活かすための継続的な努力が大切です。MBAではリーダーシップ論も重点的に学びますが、それを実務に活かすには自身が試行錯誤をして、経験を積むしかありません。やはり、知識さえあればという勘違いと同様、MBAプログラムを体験する中で理論とともに人間力を鍛える必要があるでしょう。

それでもMBAには価値がある理由

ここまで、3つの勘違いを見てきましたが、実際にMBAを取得して思うのは、MBAは安易な目的ではなく、しっかりとした目的をもって臨めば、ビジネスパーソンにとって非常に有効なプログラムであるということです。

実際、企業で活躍されているビジネスパーソンが多く集まるビジネススクールでは、仲間の考え方、仕事の仕方に大変刺激を受けます。通常の大学院よりもチームでの課題が多いMBAでは、一緒に学ぶ仲間と非常に強固な絆ができます。一緒に学ぶ過程で、今まで知りえなかった他業界の情報や知識をも得ることができます。

また、今まで自分が常識だと思っていた考えを覆され、新しいアイデアを得ることもできます。

さらに海外のMBAでは、さまざまな国の人々とネットワークができます。現在は中国やアジアからの留学生も多く、海外でビジネスを行うことを考えている人にとっては大きなメリットになるでしょう。

このように、ビジネススクールで学ぶ過程で、通常の業務では得られない経験を得て、全般的な人間性を磨くことができるのです。私が一緒に学んだ仲間には、起業した人、転職した人、役職が上がった人、さまざまな人がいます。それらの人々は、仲間から、または先生から何を得ようと意欲のある人であり、MBAで学んだことを活かし、自身のビジネス人生を大きく飛躍させています。

残念な人にならないためにも、MBAであらゆることを吸収して成長し、今まで見られなかった景色を体感してほしいと思います。

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