ニューヨークでネコの爪除去が禁止になった訳

法案が施行されれば州としてアメリカ初

ニューヨーク州議会は毎年、動物に関するさまざまな法案を審議している。現在もイヌに関する十数の法案が審議中で、窃盗に対する罰則の強化から、イヌを引き取った場合の税額控除の適用などまでいろいろある。

議会上院は6月4日に動物に関する9つの法案を可決し、ペットショップに対する防火システムの設置義務付けや、「適当な小屋」を置かずにイヌを屋外に放置した場合の罰金引き上げなどが含まれた。

ネコの爪除去禁止法案も、6月19日の州議会閉会に近づく中で可決された。しかし、ニューヨーク獣医学会は、爪除去をしないと「捨てられるか安楽死させられる場合」には認められるべきだと主張しており、ほかの複数の団体とともに法案に強く反対している。同学会はまた、飼い主が血友病や糖尿病、免疫障害などを患っているために爪を除去させられているケースもあると指摘している。

爪除去しないと安楽死させられるリスクも?

「爪除去手術をしなければ家を失うネコたちは、飼い主が世話が可能な場合よりも安楽死させられるリスクが高い」と、同学会は5月に発表した声明で述べた。「そうしたネコはまた、快適な生活を失い、長期の住まいとしては理想とは程遠い状況下で何年も過ごす恐れがある」。

一方、爪除去禁止の支持者らは、爪除去はネコに激しく長い痛みを与えると主張し、指を切断するようなものだと言う。「第一関節で指を切断するのと同じだ」と、マイケル・ギアナリス上院議員(民主党)は言う。「社会は動物の扱い方で評価されると言われる。爪除去を継続させては、われわれはよき手本になることができない。われわれは今日、それを正しい方向に向かわせることができる」。

この法案に限っては、共和党議員もギアナリスに賛同する。「動物は私たちに無条件の愛をくれる」と、ペットのコーギー「グレイス」を議事堂に連れてきていたジェームズ・テディスコ上院議員(共和党)は言う。「今日はニューヨーク州議会にとって最も超党派的な日だ」。

議会での審議の際には、議員らから疑問も投げかけられた。ブライアン・マンクテロウ下院議員(共和党)は、爪除去は「議会の決断ではなく、医療の決断」であるべきだと意見した。同議員はまた、ニューヨークの住民は別の州で爪除去手術をペットに受けさせるのではないかとの懸念を示した。

これに対しローゼンタールは、ニューヨークは他州に爪除去禁止を促すと主張した。ローゼンタールは言う。「ネコの爪除去に正当な理由などない。ネコの視点からすれば」。

© 2019 The New York Times News Services 
(執筆:Jesse McKinley、翻訳:中丸碧)

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