「人事異動が多い会社」の離職率が低い深いワケ 意外と知られていない「6つの効果」
職場に派閥ができるのは、人事異動がないからです。同じ部署に長くいると、「お局様」「ボス」「モンスターパート」が生まれ、その人を中心に派閥ができます。
派閥Aと派閥Bができ、派閥Aの中心人物が会社を辞めると、派閥メンバーも一斉に辞めることがあります。自分だけ残れば、派閥Bから陰口をたたかれたり、無視されるからです。
わが社に派閥がないのは、担当する仕事を頻繁に変えたり、シフトを固定させないようにしているからです。
わが社には、「課長職3年定年制」のルールがあります。嫌いな課長の下についても、「長くても3年で、あの課長は別の部署に異動になる」ことがわかれば、部下は辞めずに我慢できます。
人事異動は、結果として、不正をさせない仕組みでもあります。
不正は、組織のよどみの中から発生します。ひとりの社員に長く同じ仕事をさせるのは、組織によどみをつくることに等しいです。それは社長自らが「あなたは不正してもいいですよ」と認めたのと同じです。
人事異動をしないと、仕事が「属人化」します。属人化とは、ある仕事を特定の人だけが担当した結果、その人にしかやり方がわからない状態になることです。人に仕事がつくと、ブラックボックス化して不正の温床になりかねません。
経理の不正を防ぐには、同じ人に長く任せないほうがいい。定期的に人事異動をして、担当者を入れ替える。あるいは経理担当者が2人いるなら、「ひとりは入金担当、ひとりは出金担当」と業務を分けて、2年経ったら入金担当と出金担当を入れ替えるようにします。
増えつつある「新卒社員の1年退職問題」にも効果的
わが社が活用しているエナジャイザーという適性検査の分析結果を見ると、「今の若い人は、同じことをやり続けると不安になり、ストレスを感じやすい」ことが明らかになっています。
2013年度までは、「同じことをずっとやらせないと不安になり、ストレスを感じる」というトレンドでしたが、2014年度以降は、トレンドが真逆になっています。
そこで、わが社では、「新卒社員は、1年以内に人事異動」をしています。
普通の会社は、「仕事ができない人」を動かします。しかし、わが社では、「職場のナンバーワン、あるいはナンバー2(成績の良い人、昇格した人)」を中心に異動させます。
仕事ができる人は、何をやらせてもすぐに習熟する一方で、同じことを続けさせると飽きてしまう。彼らのモチベーションを下げないためには、定期的な人事異動が必要です。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら