新幹線N700S「時速360km」が導く鉄道新時代

高速鉄道は再びスピード競争の時代に?

夜間に疾走するN700S(写真:JR東海)

世界の高速鉄道は再び、スピード競争の時代に突入したのかもしれない。

東海道新幹線の営業運転が終了した6月6日の深夜、JR東海による新型新幹線車両「N700S」の速度向上試験のもようが報道公開された。N700Sは昨年3月に試験運転を開始して以来、さまざまな試験を実施している。昨年7月には時速330kmでの運転を行った。

今回の目標は時速360km運転。現行の東海道新幹線の営業最高速度である時速285kmをはるかに超えるスピードだ。

最高時速362kmに到達

N700Sは現在の東海道新幹線の主力である「N700Aタイプ」同様、16両編成のうちモーターを搭載している車両は14両のみ。今回の速度向上試験に際してすべての車両にモーターを搭載し、出力を15%向上させた。

23時41分、米原駅を出発したN700Sはわずか4分で時速300kmに到達。さらにスピードを上げ、走行から8分後に時速360kmに達すると、その状態で約40秒間走行し、一時は時速362kmに達した。

6月6日深夜に行われた新幹線N700Sの走行試験で、時速362kmに到達した瞬間の車内(撮影:尾形文繁)

客室の前方に設置された大きなモニターに運転台の車窓が映し出されている。線路沿いの電柱が前方から後方に流れていく様子から、速度がぐんぐん増していることがわかる。一方で、車内の揺れや振動は時速200km台とさほど変わらない。時速360kmでも車内の快適性に大きな違いが出ないこともJR東海のセールスポイントなのだろう。

その後スピードを落としたN700Sは23時59分に京都駅に到着した。所要時間は18分。通常の米原―京都間の所要時間は20分なので、時間短縮効果としては約2分ということになる。

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