新型「ポルシェ911」の姿形は何が変わったのか エクステリアデザイナーが語った魅力とは

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2台の新型911(筆者撮影)

発表会ではブルーとシルバーの2台が展示されていたが、ブラックとの明度差が小さいブルーの車両を、照明がよく当たる前向きに置いていたので目立ったということもあるだろう。

リアについても、前後で造形をそろえたかった点は理解できるものの、その結果1963年のデビュー以来伝統としてきた、バンパーの下からマフラーが見える姿は途絶えてしまった。

もっとも今回発表されたカレラSとカレラ4Sは、新型911ではベーシックモデルであり、このあと高性能なターボやGTSなどが登場するはずで、上級車種らしい凝った仕立てをまとうだろうから、長い目で判断すべきかもしれない。

かつての911のモチーフを取り入れた

新型はかつての911のモチーフを取り入れていることも特徴である。フロントフードには空冷エンジン時代を思わせる2本のキャラクターラインが入り、リアは1973年デビューのタイプ930から採用された、左右のコンビランプを赤いガーニッシュでつなぐディテールが復活した。

昨年秋に発表されたBMW「3シリーズ」の新型も、ヘッドランプの下側にボディカラーが食い込むディテールは4代目、左右の枠がつながったキドニーグリルは初代やその前身の「02シリーズ」をモチーフにしたと語っており、ロングセラーの基幹車種の進化として似たような考えを抱いたことがわかる。

新型911カレラSのリアビュー(筆者撮影)

「デザイナーにとって挑戦しがいのある場所」と山下氏が言うリアはさらに、クーペではリアウインドーとその下のルーバーをつなげ、ハイマウントストップランプをルーバーのフィンに合わせて縦型にした。前述のワイドフェンダーやコンビランプとあいまって、かなり幅広く見える。電動開閉式リアスポイラーも全幅いっぱいに広がった。

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