新型「ポルシェ911」の姿形は何が変わったのか エクステリアデザイナーが語った魅力とは

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新型911のシート(筆者撮影)

続いてサイドビューについて、まごうことなき911と紹介。リアホイールが21インチとなり、20インチのフロントより大径になるなど細部の変更はあるものの、たしかに先代タイプ991とほとんど変わっていない。

最近のフェラーリ各車がつねに新しいデザインを提案し、注目を集めているのとは対照的だが、必要がなければ変えないという考え方は理解できる。本田技研工業の「スーパーカブ」もそうだが、同じフォルムで長い間作り続ければ、デザインそれ自体がアイデンティティになる。

ドアハンドルは大きく変化

唯一、旧型から大きく変わったのはドアハンドルだ。911は伝統的に、握って引くグリップ型にこだわってきた。初の水冷エンジン車タイプ996で、指で引き上げるフラップ式に換えたものの、不評だったのかすぐにグリップ式に戻した。なのに、新型は電動でポップアップするフラップ式を復活させた。

新型911のインパネ(筆者撮影)

同じように電動ポップアップ式としたジャガー「Fタイプ」やレクサス「LC」がボディと面をそろえているのに対し、やや浮き上がっていることが気になった。

前後の眺めは変わった。トレッドを広げ、旧型では上級車種に装備されていたワイドフェンダーが標準になった。バンパーは山下氏がエレメントと呼ぶ黒塗りの空間を用意し、運転支援システム用センサーやマフラーなどを収めたことも特徴だ。

これについては違和感を抱いた。横長の四角という単純な形状は有機的なフォルムと釣り合っていないと感じるし、フロントは内部構造が一目瞭然で、中央のセンサーが目立つ。これまで見てきた広報写真では、センサーを装着したカットがほとんどなかったので、印象の違いに驚いた。

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