令和でも「虚礼」をやめられない人間の悲しい性 「年賀状」をやめた自営業者はどうなったか?

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こうした時代が到来したことは、よしとしよう。だが、まだまだ不要と思うものは多くある。そこで「現代無用物事典-令和版-」を作ってみた。平成元年の元祖「無用物事典」と重複するものは記さない。

令和には卒業したいもの

<『現代無用物事典-令和版-』>
1:ネクタイ → ネクタイの有無で入れない場所があることが納得できない。
2:ヒゲやロン毛は失礼的風潮 → 仕事と毛はまったく関係ない。ならハゲはどうなる?
3:ハンコ → 単純に面倒臭いし、今ではサインのほうが信頼性もある。
4:退職報告一斉送信、「BCCにて失礼します」メール → いちいち送らなくてもいい。
5:固定電話 → オレオレ詐欺の温床にもなっている。もう企業や役所以外はやめてもいいのでは。
6:メールの書き出しの「お世話になります」→ 別にお世話した覚えはない。
7:客の姿が見えなくなるまで頭を下げ続ける営業マン→誠意を見せているつもりなのだろうが、こっちは「早く曲がり道出てきてくれ! いたたまれないよ。そんな頭下げないでいいよ!」と思う。
8:運転手が降りてドアを開けるタクシー→早く乗せてほしい。
9:お盆・ゴールデンウィーク→制度・風習としてあってはいいが、職場単位で「その前後に分散して休みましょう」という選択制でいい。
10:町内会→メリットが見えない。
11:お酌 → 上下関係を明確に表すぐらいしか意味がない。
12:結婚式の祝電→祝儀払って参加した人間よりも偉そうに見えるし、紹介に時間もかかる。
13:焼香終了後の遺族への一斉挨拶→焼香の時間はかかるし、遺族としても首を何度も下げて疲れるだろう。
14:年越しそば → 深夜に食べたら太る。
15:おせち料理 → 作るのには手間がかかるし、買うとかなり高い。貴重な休みの日なのだから、好きなものを食べればいい。
16:お通し・突き出し → ドリンク+1品頼むので、好きなもの注文させてほしい。
17:芸能人の謝罪会見 → 謝罪内容は不倫や薬物ばかり。たいした公共性はない。
18:芸能人不祥事発覚時のCDなどの自主回収 → 買うかどうかは消費者に任せればいい。わざわざ自主回収する手間がもったいないし、作品とそれに関わった人物の不祥事は別個のものとして考えたほうがいい。
19:土下座→田口淳之介やかつての「ユッケ社長」の土下座により、最近はすっかり胡散臭くなった。
20:英語が喋れない英語教師→これが今の日本の低水準な英会話能力に繋がっているのでは。

※本当は選挙候補者の「選挙カー」「名前連呼」「たすき」「白手袋」「必勝ハチマキ」も入れたかった。だが、ある政治家に話を聞くと、驚くことに「これらを使った活動が一番強いんです」と言われたので含めなかった。

この手のものはいくらでも出せるが、自分にとって必要なもの、不要なものをキチンと考えたうえで日々の生活を送っていきたいものだ。同時に「不要」「虚礼」と思いつつも、人間はなかなかそれをやめることができないのだと、せつない気持ちにもなる。

中川 淳一郎 著述家、コメンテーター

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なかがわ じゅんいちろう / Junichiro Nakagawa

1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『テレビブロス』編集者などを経て、出版社系ネットニュースサイトの先鞭となった『NEWSポストセブン』の立ち上げから編集者として関わり、並行してPRプランナーとしても活動。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。同年11月1日、佐賀県唐津市へ移住。ABEMAのニュースチャンネル『ABEMA Prime』にコメンテーターとして出演中。週刊新潮「この連載はミスリードです」他連載多数。

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